2018年03月11日

俳優・大杉漣の天晴れな最期。

彼の決定的な人生の選択は、明治大学の学生時代に、寺山修司・唐十郎・蜷川幸雄氏らの演劇に出会いながら、演出家・太田省吾氏の門を叩いたことだろう。

太田氏の状況劇場は、沈黙劇で知られる。

代表作「水の駅」は、舞台の上手から下手まで、20分ほどを使ってリアカーが引かれる。そんな独特な演劇空間だった。

あの時代。演劇は輝いていた。それは、演劇が「思想と現代芸術を内包していた」から。

今は、演劇から「時代の精神」を読みとることは難しい。。
ほとんどが「娯楽」であり、後は、ほんのちょっとの「芸術」である。




私は、劇団の解散後の太田省吾が女優の岸田今日子氏とつくりあげた舞台を見に行った。

「フランシス・ベーコンの肉塊を想起させるような舞台でした・・・」などと分かったような感想を岸田嬢に送ったら、感謝の葉書が着たことを覚えている。




死の直前に出演した「ゴチになります」では、2週連続で負け、共演者たちにご馳走。

先日の「アナザースカイ」では、16年間在籍した状況劇場のことを明かしている。−−−享年67は、太田省吾と同じ。

太田氏の稽古は3ヶ月に及び、稽古の中で台詞をそぎ落としていく。

後年、北野武氏の映画に出演した時、台詞のない暴力団事務所の組員の役だったが、「僕は、立っているだけの役が大好きなんです」と叫びたかったのだとか。




「ただ立っている」ことが、俳優にとってどんなに難しいか−−−。

それを16年間かけて修行した大杉漣氏が希有なことを、私たちは多くの作品で確認できる。




彼はピンク映画出身であり、ピンク映画を「下に見る」態度を嫌っていたという。
私も何本かピンク映画(オークラ)の現場に立ち会ったことがある(車両部)が、優劣を感じたことはない。

逆に、機材やスタッフが少ないので「機動力」があり、現場での「クリエイティビティーが発揮できる」と感じた。

後に、スタジオスタッフとして、(市川準作品で知られる)有名キャメラマンの仕事に立ち会ったことがあるが、間接照明を凝らした撮影セッティングを目の当たりにして、「照明にここまで時間を使われたら、演技・演出どころではない」と落胆した。



映画鑑賞とは、フィルムに記録された「演劇」の鑑賞である。

俳優・大杉漣氏の逝去は、太田省吾の演出術が、日本映画界にサバイバルしていた時代が終わることを意味する。
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2018年03月10日

獺祭(だっさい)。

銘酒としてあげられるのは、
昔は、「越の寒梅」だったが、「久保田」だったり・・・。
今はなんといっても「獺祭(だっさい)」。



だが、「だっさい」と読めるだけ、まだマシであり、「だっさい」が何かを知る人は案外少ない。

私もその一人で、読めるだけで満足していた。



獺(かわうそ)の祭り。それがダッサイである。

獺は「自分が好きな食べもの」を、周囲に並べる習慣があるのだとか。
それがお供え物を並べる祭りのように感じられる。


小説家・太宰治の死んだ日を桜桃忌と呼ぶが、詩人・正岡子規の場合は獺祭忌。

病床の子規は、寝床の周囲に「自分の好きなもの」を並べていた。まさに、獺(かわうそ)と同じ習性。



お酒に「獺祭」と名付けるとは、なんとも奥深い。

一度も口にする機会はないが、どのような味がするものか・・・。

とはいえ、私の獺祭に加えるとしても、すぐに飲み干してしまうに違いない。
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2018年03月09日

日本は「和の国」ではなく、「忖度の国」である。


オリンピックのチームパシュートの金メダル。
女子カーリングチームの「そだね」コミュニケーションによる銅メダルを通じて、日本人の特徴が「和(集団主義)」「滅私」と結論づける人が多い。

だが、認知心理学では、日本人の特徴は「和」ではないという。


9.11事件の後の「テロリズムへの撲滅に取り組む」大統領の支持率の向上を見ると、日本人よりもアメリカ人の方が「和」を重んじるのだとか。



心理学的には、

・内因性(性格)
・外因性(環境)


という二つの原因があり、日本人は、「団結しなければ滅びる」と確信した時に、「団結」「滅私」するのであって、そうでなければ、「団結」「滅私」というのではないらしい。

よく聞かれることだが、日本の会社よりも、アメリカの会社の方が、「部下は上司の言葉に絶対服従」なのだとか・・・。
私たちは、「アメリカ人」は「個人主義・個性尊重」と刷り込まれているが、その実際は、異なるよう。


日本人にとって「イエスマン」は否定的な意味で使われるが、アメリカ人にとって「イエスマン」は当然のことなのである。




「日本人は和を尊ぶ民族」というのは、戦後のベストセラー「菊と刀」の影響が大きいのだとか。

当時も、そして、今も、日本人とアメリカ人は、「同じ民族性」であってはならぬ。そのためにねつ造されたのが、「日本人は、和を尊ぶ民族」という洗脳だろう。



日本民族の特徴は、「単一民族の文化的均一性」から導かれる「忖度」の度合いが高いコミュニケーション。

「忖度」という概念を発掘した幼稚園園長は、慧眼の国士である。

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2018年03月08日

「評論家になってはダメ」と言われて久しい。


成るべきは「作家」であり、「評論家」は劣ると言われてきた。
だが、それは間違いだとと私は確信する。




評論家が批判されたのは、自らの「評価基準」を明かさずに、「思いつき」に等しい〈主観批評〉を行っている卑怯者だから。

彼らは、「営業妨害を避け」、〈相対批評〉もしない。




無名の私−−−。

「ぐだぐだ言っていないで、作品を創造しろ」と、思う人も多いのかもしれない。

だが、信頼できる観客がいないなら、とても「創造する気持ち」にはなれない。続きを読む
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2018年03月07日

「突然ですが、明日結婚します」を絶賛する。


日本のドラマの観客には、パワーユーザーがいない。

マスコミの論者のほとんどは、関係者のヒモ付きであり、「客観的な評価」を期待できない。

つか、「(思いつきに等しい)主観批評」を誇っている。
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2018年03月06日

忖度する私たち日本人。伊調vs栄。カーリング娘。

女子レスリングの栄監督に関するパワハラが話題になり、リオの金メダル確定シーンを、テレビのワイドショーで何度も見させられている。

伊調選手は、「世界一になった感情の頂点」で、監督と目を合わせるでもなく、日の丸国旗を受け取るだけ。

当時、彼女と監督の「軋轢」を知らなかったから、「誰も気づけなかった」。

・・・人間とは迂闊(うかつ)なものである。




さて、銅メダルを獲得した吉田姉選手は、ソチ五輪の現地で、北海道銀行を戦力外になるという異例の経験を持っている。事実は、事実。とはいえ、その背後に何があったのかを、誰も語らない。

だが、テレビ番組で、吉田姉選手は、次のように振り返る。

ソチ五輪後に吉田知は、チームを離脱。当時について「戦力外2014みたいな感じで、ちょっと力が足りず自由契約みたいな感じになって…」


だが、創設者の本橋選手が次のようなコメントを、


「4年前は藤沢も 中部電力 というチームに所属して、吉田知も 北海道銀行さん というチームで、ライバル同士だった」



藤沢スキッパーは、次のようなコメントを


中部電力 でソチに出ることが出来ず、もう1度、やり直そうと、地元に帰った。



気づいていただけただろうか。

中部電力には「さん」づけはなく、北海道銀行には「さん」が付いている。




ある時期。企業名に「さん」をつける理由が喧伝された時期があった。
※ 電通さん...etc.

私は、その理由を


・「(競合他社に対して)悪意の引用ではない」という宣言が、「さん」付けの理由であると結論した。




つまり、本橋ファウンダーは、北海道銀行に関して「悪意の引用ではない」と明言しなければならなかったが、中部電力には「悪意の引用の可能性はゼロ」だったから、「さん」づけをする必要がなかったのである。



言語力が巧みな吉田姉の「ちょっと力が足りず・・・」という発言をそのまま信じてはいけない。

私たちの本質は「忖度する民族」。

吉田姉も、LS北見のみなさんも、伊調選手の周囲のようなことはしなくて良い。
誰も口にしなくても、日本中の人たちが「分かっている」のだから・・・。

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山折哲雄(宗教学者)先生の遺言。



山折哲雄のインタビュー番組を観た。山折先生は現在86歳だという。

山折先生が国立の研究機関の長をつとめるなど周囲から尊敬されたのは、文献を渉猟するだけの学者ではなく、インドなどに出向き、フィールドワークや実経験を重ねたからだろう。

私が神秘学に興味を持った20数年前。何度かシンポジウムでの講演を聞いたことがある。

先生のフィールドワークという手法は、「宗教」を物語の世界に留めない。そう期待したのである。



だが、「孤独な修行」の中で「神秘体験」をしたであろうに、それを言語化・体系化しなかった。そのような物足りなさを私は感じた。

客席にいたカール・ベッカー教授は、「臨死体験」の研究者であり、同じく落胆していた。

「宗教的な神秘体験」と「臨死体験」には、多くの共通事項があるはずであり、二人は京都に暮らしていたのだから、共同研究も可能だったはず。


だが、それがなされたことを私は知らない。続きを読む
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2018年03月05日

TBSラジオ「久米宏のラジオなんですけど」

で、

「あなたは、保守ですか。それとも、革新ですか?」というテーマがあり、リベラル保守を提唱する社会学者(中島・東京工業大学)も出演していた。

久米氏によれば、「予想外の反響」で、投稿がことのほか多かった。のだとか。

運転をしながら聴いていたが、

「保守 vs. 革新」という対立軸が「古めかしい」「現在の状況に適合していない」という意見が多かった。

しかし、投稿者・久米氏・ゲストの誰もが明確な答えを出せずにいた。




私は、次のように指摘する。





「保守 vs. 革新」という対立軸は、モダニズム(近代・進化論)の時代の争点である。

1990年代以降は、ポストモダンの時代なので、「古めかしい・時代遅れ」なのである。




ポストモダンの時代とは何かといえば、「進化論ではなく、文化相対主義」。「主観ではなく、客観」の時代ということになる。



文化相対主義とは、「当事者たちがハッピーならばそれでよい」というスタイル。ブータン王国は、「経済的な繁栄ではない」にしても、「それでよい」のである。

ポストモダンの時代になり20年以上が建っている。
だが、民主主義・資本主義など、現代社会の根本的なシステムを否定することができないので、いまだに「モダニズム」の時代が続いているのである。
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2018年03月04日

「5時に夢中」若林史江様。

番組のサイトに投稿した。

◇    ◇    ◇

昨年春、娘が社会人になり「子育てを終えた父親」です。

番組では、マツコデラックス嬢から「近所のエリート校を下見した」との報告。若林さんの、お子さんに対する「期待と愛情の深さ」が感じられるエピソードですね。フィギュアの羽生選手の金メダル。藤井少年棋士の大活躍など、これから子育て本番を迎える親が希望に胸がふくらむのは当然です。

しかし、日本一・世界一になることは「十分条件」。「(なくても良いが)これがあるともっとよい」。ポジティブチェック項目です。

「幼少期の子育て」の目標は、以下。

・「情緒」の安定。
・人を信じる「素直さ」。
・「コミュニケーション」能力。

これらは「必要条件」。必要条件とは「これがないと致命的」な素養。ネガティブチェック項目です。

以下は、私の「子育て法」。



【「犬のしつけ」を、人間の「子育て」に援用せよ。】

幼犬のうちに「散歩・遊び・しつけ」をしないと、成犬になると「無駄吠え」「噛みつき」になる。その時、散歩に連れて行っても遅い。

人間も同じで、幼い時期に「いっぱい遊んであげない」と自己肯定感が養成されず、「引きこもり・逆ギレ」になる。女児は「ネコ的」だからそれほどでもないが、男児は「犬的」なので顕著。

幼児期の「親に愛された経験・実感」は、親子の絆を強めるとともに、「自己肯定感」につながります。



清水アキラ氏の次男の非行は、幼い頃に「愛された実感」がないのに、成年になって「厳しくされた」のが原因かもしれません。



すばらしい子育ての参考にしていただければ幸いです。    (スポンタ中村)

※ 質問などありましたら、ブログにコメントしていただければ幸いです。
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2018年03月03日

ノブコプ吉村氏へのアドバイス。坂上忍氏の演技論。


MC俳優の坂上忍氏が、「芝居ってのは、芝居しないのが芝居なんだよ」と話しているのを、ノブコブの吉村氏が覚えていて、保険会社のコマーシャル出演の時に思い出したと発言していた。

「芝居ってのは、芝居しないのが芝居なんだよ」。
とのセリフは、禅語めいてカッコいいが、解題・解説してあけなければ、「有職故実を誇る」だけ。


−−−意地悪である。続きを読む
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