2019年09月21日

倉本聰氏のアンチドラマ。

シナリオ界の大御所が、「ドラマを分かっていない」から困ってしまう。


小津安二郎監督の最期の言葉は「映画はアクシデントではない。ドラマだ」である。

放送大学・美学芸術学の青山昌文教授は、第三者が記録した「叙事的」な作品、当事者として演じられる演劇「叙事詩的」なるものを対照として指摘している。


二つの至言を知ってしまえば、

倉本氏が、「昭和15年以降の山梨県の寒村を描いた」ことは、アンチドラマ。「(シナリオライターが創造した)架空の歴史」であって「ドラマ」とはいえぬ。


徴兵令がやってきて、兄は絶望し、自殺する。

兄の死後、兄の恋人が妊娠していることを知った主人公は、赤子の父親になることを申し出て、受け入れられる。主人公は兄の恋人を心密かに愛していたのである。

そして、主人公にも赤紙がくるが、勤労奉仕の作業中に「わざと」大けがをして、徴兵を回避する。

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2019年09月19日

宮崎駿と高畑勲の本質的な違い。

高畑勲氏の展覧会が開催されているとか。生前の彼の周辺の人物に取材した番組がオンエアされていた。

高畑氏と宮崎氏は東映アニメーション以来の盟友だが、二人の本質的な違いを一言で表現すべきである。

・宮崎駿: Duel of Passion

・高畑勲: Loss of Emotion

番組では、以下のようにまとめられていた。

・宮崎駿: 勇気・希望・たくましさを表現する。

・高畑勲: 人と人のつながり。思いやり・思い入れ。
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2019年09月17日

「カメラを止めるな」はダメ。

映画「カメラを止めるな」が、低予算映画なのに存外のヒット。というのは旧聞だが、ふとこんなことを思った。

・カメラを止めるなは、ダメ。

について、ちと、説明する。
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2019年09月10日

アンパンマン批判(即物的な読解する知性を批判せよ)。


テレビアニメ「アンパンマン」が、こどもに「暴力」を薦めていると、視聴を控えるように発言する人がいるという。

世の中には、「親がきちんと伝えれば大丈夫」とか、「こどもにも理性・知性があるから大丈夫」との意見が・・・。

spontaが指摘したいのは、

そのような

・即物的な読解は、知性のなさ

を表現していること。
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2019年09月07日

「アンチ・ドラマ」とは何か?

「映画・ドラマを評価」するために、「映画・ドラマを定義・分類」した。

より理解を深めるためには、「ドラマでないもの」を定義しなければならないと思う。

サッカーで「アンチ・サッカー」と言うことがある。
それはキック&ラッシュ。幼稚園児がサッカーをした時のような、ゴールに蹴り込むだけの戦法である。

では、ドラマは・・・。
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2019年09月06日

映画・ドラマの5分類のまとめ。

ハリウッド発の「映画・ドラマの分析法」が、「日本に普及しなかった」と指摘した。

その理由は、ミメーシス理論。つまり、

・映画・ドラマが参照すべき「現実」が異なるから。(アメリカは他民族・銃社会・対立 vs.日本は単一民族・対立を嫌う忖度社会)

とはいえ、ハリウッド映画や韓流ドラマの移入により、日本人の好みも変革している。日本芸術が表現してきた伝統は「もののあわれ・無常」だが、そればかりではなくなっている。対決をモッパラにする「ひとのあわれ」系の作品も少なくない。

TBSのジャイアンこと福沢氏が演出する日曜ドラマは、その類い。

だが、悪役が悪役として「敗れ去る」ことに、我々日本人は「無情でいられない」。そういう優しい心根がある。
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2019年08月30日

ハードボイルド(説明しない)とソフトボイルド(解説過剰)。




spontaは娘に、映像に関する「要点」を伝えている。それは以下。

・説明はダメ。表現・描写でなければ。
  ↓
・説明セリフはダメ。

※ 僕は、あなた(民さん)が好きです。(説明ゼリフ)
※ 僕は野菊が好きだ。民さんは野菊のようだ。(素朴な表現)



・前後のカットの「相違性」こそ、接着力である。
  ↓
・同サイズ・同ポジションは直結してはならない。
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2019年08月29日

モンキー・パンチの遺言を信じるな。

お別れの会でのご長男のお言葉を引用する。

「ルパンIII世」には、"教え"がない。

・友達を大切にしよう。

・悪いことはやっちゃだめ。

・努力すれば、報われる。

・夢はいつか叶う。

などは作品から読み取れない。


果たして、そうだろうか。

"教え"とは、観客が読みとるべき(抽象的な)〈テーマ〉だろうが、それが”不在”など、あり得ない。
もし、そうなら、「ルパンIII世」は愚作である。

spontaが読みとる〈テーマ(教え)〉は以下。

・一度狙った獲物は、諦めない。(盗賊としてのプライド)

・(何度裏切られても)女性(峰不二子など)を諦めない。(性欲に勝てぬ悲しい男性のサガ)。

・人生を楽しむ。

・スリルを楽しむ。(あえて危険な挑戦を選ぶ)

・・・などである。
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2019年08月26日

映人社に電話してみた。


spontaの常套手段は、「選択肢をつぶしていくこと」。

映人社とは、新藤兼人氏がつくったシナリオ会館にある。月刊ドラマやシナリオ作法の本を多数出版している。

映画学校時代、月刊シナリオ、月刊ドラマを定期購読していた。つか、月刊ドラマが創刊された当時、映画学校に通っていたと記憶する。
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2019年08月24日

映画&ドラマのコンポジションシート


映画&ドラマのコンポジション(構図)について、5分類を提示した。

映画&ドラマの構成(コンストラクション)についての考察は多々あったが、構図に関する研究は皆無だから、まったくのオリジナルである。

旧来のイメージで類推するなら、「人物相関図の類型」ということかもしれぬ。
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2019年08月23日

映画&ドラマの5類型。(その2)



【表現形式】

・Duel(「対立」が対決に展開する)

・Loss(「喪失」により、大切さを痛感する)

・Contrast(「対照的」に印象づけられる。事象は対立関係にある)

・Reference(「参照的」に描かれる。事象はメタ関係など、対立関係でない)

【表現内容】

・Passion(意志)−−−主体性

・Emotion(感情)−−−忖度

・Nature(性質)−−−悟性・インセクト
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2019年08月22日

映画&ドラマの5類型。(その1)



小津安二郎監督の遺言は、「映画はイベントではない。ドラマだ」である。

溝口健二監督は、新藤兼人の脚本を「これはシナリオではありません。ストーリーです」と突っ返した。撮影現場では、俳優に「それはあなたたちの仕事」と演技指導は一切せず、「反射してください」と要求しつづけた。

世界的な映画監督の教えから、以下が導き出される。

o  映画はドラマである。
x 出来事(イベント)の羅列はダメ。(ストーリーはダメ)

o ドラマを生み出すのは、シナリオ。
x 出来事(イベント)が羅列されるのはダメ。(ストーリー)

o 人間と人間の「反射(人間関係のケミストリーな現象)」が描かれるのがシナリオ。
x 人間と人間が「有機的な反応を起こさない」のはダメ。

o 相手役のセリフに呼応・反応するのが「演技」。
x 「反射」がない演技はダメ。(段取り芝居)

これらは、青山昌文美学でいうと、「叙事詩的なもの」の否定である。
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2019年08月16日

TBSの日曜日ドラマ「ノーサイドゲーム」批判。

演出の福沢克雄氏は、慶応ラグビー部が上田昭夫監督のもと、大学一、日本一になった時の右ロックだという。

慶応・中等部でラグビーを始め日本代表になり、高校・大学と辛い練習をやり抜いた。大学の4年間はラグビー漬け。卒業後は、フジフィルムに就職したが、ドラマへの思いが捨てきれず、TBSに中途入社。

現場のつらさから辞めていくADが多い中、ラグビーの辛い練習で鍛えられていた彼は、楽々と現場をこなし、ディレクターに昇進したとか。

福沢氏は「俳優が、ラガーマンを演じる」のではなく、「ラガーマンが、俳優をする」ほうが良いと考え、後輩の日本代表元キャプテン・広瀬氏(スタンドオフ・ウィング)を「チームの中心選手」としてキャスティングする。

spontaは、ここまでは正しいと思う。
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2019年08月13日

「パソコンで評価するの?」

「映画&ドラマの評価システム」の営業を模索している。
アポイントメントがとれた時のことを思って、昔の先輩に電話した。

彼は、鈴木清純監督が作った映像塾の出身。つまりは、「近代主観主義」バリバリの人だが、「押し出し」の強い人なので、VIPにも負けまいと考え、ファーストコンタクトの場に同席してもらうことにした。

久しぶりの電話。

私が概要を伝えると「パソコンで評価するの?」との返答。

ふむ。

そうだよな。AI、人工知能の時代なら、当然そうなる。

否。

エクセルの表組みに入力して評価するなら、「パソコンで評価する」ことになるか・・・。
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2019年08月12日

金曜日のドラマを2本観た。そして、ツイートした。



一本目。


#「これは経費では落ちません」

金曜日、「これは経費では落ちません」を観た。
「逃げる男」なる新キャラ登場。
こういうご都合主義的にストーリー展開が、ドラマをツマラナクスル。つか、「刑事もの」「裁判もの」のように、一話完結で行きたいのか。安易だ。

そして、

#凪のお暇

アンタゴニスト(人間関係の対立)は、どうにか出来ている。だが、直接対決がない。DJ君はモンスターで、ヒロインとヒーローは「葛藤&忖度」ばかり。小津安二郎の遺言は、「映画はドラマだ、アクシデントではない」。ドラマとは「直情の対決」である。

「映画・ドラマ」の〈評価法〉。(その1)

で、勉強して欲しい。
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2019年08月11日

「これは経費では落ちません!」を評価する。

映画&ドラマの「客観的で、妥当性のある評価」をギョーカイのVIPの方々に提案をしようと郵送やメールでアクセスしているが、リターンはない。

先日は、文化庁の「コンテンツの評価」に関する報告書が平成16年度に提出されているのを知り閲覧した。

残念に思ったのは、「コンテンツを評価できる」人材を養成を提言されていること。

文化庁は「近代主観主義(モダニズム)」に囚われている。
否、この調査研究に携わるような業界のトップの人たちは、ポストモダン(客観主義・相対主義)の潮流とは遠いところに居る。

ご案内を差し上げたVIPのみなさんからリターンがないのは、私が無名だからとばかりはいえない。あえての「無視」の可能性も高い。
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2019年08月09日

「映画&ドラマの評価システム」の提案をしている。

先日、「平成16年度コンテンツ評価・ビジネスモデルに関する調査研究報告書」(株式会社UFJ総合研究所)というのを発見。


閲覧したが、その感想は、

・「コンテンツ業」の評価になってはいるが、「コンテンツの評価」にはなっていない。

この調査研究会が悲惨なのは、参加者が主催していた「2社またはそれ以上」が廃業、または活動休止していること。

コンテンツの「客観的で、妥当性のある評価」が出来ていないのだから、文化庁の調査に関わるようなメインストリームな人の会社であっても、倒産するのは当然である。

・どんなにビジネスモデルをブラッシュアップしても、「不味い飯」を出す店が成功するはずはない。

もちろん、

・「うまい飯」を出せば、必ず成功する。

というのでもない。

マクドナルド、モスバーガー。それぞれに課題を抱えている。だが、「美味しい」のは必要条件である。ロングテール的に見れば、十分条件に過ぎぬなど、ありえない。


とりあえず、座長の弁護士氏と、松竹のプロデューサー・宮島氏に営業メールを送付したが、それ以外はメールの宛先も分からない。

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2019年08月08日

連続ドラマ「エカテリーナ」を見終わって・・・。

トルコの後宮ものの連続ドラマに入り込めずにいたが、続く、ロシアの女帝ものの「エカテリーナ」はオモシロかった。

続いてオンエアされているのは、スペインの女帝ものだが、これもちとツライ。

これらはトルコ、ロシア、スペインの大河ドラマであろう。

かの国の人たちにとっては、日本なら、織田信長や豊臣秀吉が登場する魅力的な時代を扱う歴史ものだ。


トルコの後宮もの、スペインの女帝ものが「ちとオモシロくない」のは、叙事詩的(歴史的な話法)になっているところ。

一方の「エカテリーナ」は、女帝の人生にフォーカスしていて、主筋・脇筋の別がハッキリしている。

処女妻のまま7年が過ぎ、姑たる女帝の命によって「間男して、世継ぎを産む」ところで、私は物語にどっぷり引き込まれてしまった。

トルコの後宮ものは、ザッピングの途中に見た限りだが、「イスラムな後宮の様子」は描かれていたが、ハーレムの女性たちが群像としての描かれていたとの印象がある。


現在オンエアされている「イザベラ」も同様で、イザベラがヒロインであるとしても、彼女が取って代わる現皇帝(腹違いの兄)と同等に扱われているので、物語が散漫に感じられる。

当地スペインの視聴者たちには、「既に知っている」歴史上の人物だから、支障はないのかもしれぬが、ドラマとしては「疵を持っている」。
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2019年08月07日

山田太一「沿線地図」を解題する。


「万引き家族」の是枝監督は、山田太一・向田邦子・倉本聰に影響を受けたと言明し、彼の作品から小津安二郎の幻影を見る人もいるという。
だが、それら4氏を一緒くたにヒックルメてしまっても良いのだろうか。

ということでCS放送で昭和のシナリオ巨匠たちの作品を見返している。

総括すると、

・向田邦子・倉本聰は、「ロス型」のシナリオライター。

向田作品は、「今は亡き父と戦前」を回想する。
倉本作品も、「粋で、イナセな下町の人たち」を描いた。
だが、

・山田太一は、「デュエル型」のシナリオライター。

描かれる家庭の中で、家族の構成員たちは、自らの気持ちをぶつけ合う・・・。
そして、

・小津安二郎は、「忖度(相手を思いやる)」の極地。「葛藤型」の映画監督。(亜デユエル)

といえる。

小津の名作「東京物語」で、老齢の母(東山千恵子)が亡くなるシーンは、今村の母親が病気で亡くなる時の様子を参考にして精密に再現された。試写室のトイレで涙ぐむ今村に、小津は「(意地悪げに)よく出来ているだろう」と話しかけたとか。
我が校長・今村昌平が、蓼科でシナリオ合宿している小津&野田高悟コンビと逢った時、「なんで君は、そんなゴミ溜めのようなものを描くのだ」と毒づかれた。

・日本社会は「対立・反発」を嫌う。議論(話し合って、何かを決定する)さえ、あってはならない。

幕末・福沢諭吉は翻訳した原稿の中に「議論する」と書いたら、上司から削除を求められたという。互いを思いやって結論を出すことが、「美しき日本の伝統」であり、「話し合って、決める」などあってはならない。

そのような「美しき心根」の日本人を大切にして、ドラマを紡ぐとどうなるか・・・。

ドラマの中心に「忖度」「葛藤」が存在する。そんな映画が出来上がる。

spontaがここで指摘したいのは、

・小津安二郎の作品は、けっして「ロス型(失われた人たち)」の作家ではないこと。

小津の家庭像は「同時代人」としてのもの。

そして、「忖度」「葛藤」という「微妙な感情」を表現するために、小津作品独特の「画面構成」と「棒読み風なせりふ回し」がある。
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2019年08月06日

「君の名は。」の監督の次回作は「どう?」


映画館で観たのではないが、マスコミでは「(天気に関わる)光の表現が素晴らしい」とあった。

なぜだか知らぬが、アニメーションの世界では、「背景」のことを「美術」という。「美術を褒められた」という事実において、この作品が「マニア以外を喜ばせない」と断定する。
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