2007年07月19日

CJ論05:「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」(扶桑社新書14)vs「サイバージャーナリズム論」(ソフトバンク新書):梅田望夫vs西村博之vsスポンタ中村。


7/15に「サイバージャーナリズム論・『それから』のマスメディア」がソフトバンク新書から発売された。

同著の腹帯には、次のようにある。「マスコミが衰退した理由。ネット社会が不安な理由」。

この理由は何かといえば、同著のコミュニケーターとしてハブ的な役割を果した湯川氏が重要性を指摘してやまない「対話」である。


マスコミは視聴者・読者との対話を拒絶する。一方、ネットは、好きなもの同志のコミュニケーションと、嫌いなもの同志の対立しか行なわない。

*

一方、「2ちゃんねるは何故潰れないのか?」という本の腹帯は、「インターネットは、もうこれ以上社会を変えない」である。


同著の対談者である佐々木俊尚氏は、西村氏の物言いを「実も蓋もない」と形容し、梅田望月夫氏の論を「あまりに牧歌的」と評する。
倫敦橋氏の総括を引用するならば、「現実的な西村氏・理想論の梅田氏」となる。

だが、「理想と現実」という二つのパラメーター(尺度)だけで、その乖離が成立していると、私は思えない。



問題は、個かコミュニティーか…。

その問題を勘案しなければ、正確な分析はできぬ。というのが、私の見解である。




先のエントリーでも指摘しているが、「自由という概念は、個にとっては絶対善であるが、集団・コミュニティーにとっては、矛盾を孕んでしまう」。

母性的な思想では、戦争も死刑も絶対悪として批判できる。
だが、父性的な考えでは、戦争も死刑も必要悪ととして、是認せざるをえない。


西村氏の物言いの底に、冷徹なリアリズムがあるとしても、それは、現実が変わらないことを前提としてのリアリズムに過ぎぬ。

だが、社会全体が変化している・変化することをイメージできれば、彼のリアリズムも単なる諦観のひとつに過ぎぬと思えてくる。

つまり、いまを生きる西村氏の言論は個の論理としては正しいが、その思想をコミュニティー全体に広げることに妥当性はない。ならば、彼の言論は魅力的ではあるものの、明日につながっていかぬ。刹那的なものでしかない。



たとえば、西村氏が、「裁判所に通うも、賠償に応じない」のは、司法制度の不備・不毛からいって当然の行動かもしれぬ。

とはいえ、当事者としてそのような不備・不毛を感じたならば、自らの利害のために行動するだけでなく、後続者たちのために、それらの問題を解決すべく代案を提出するべきではないか。

つまり、西村氏は、日本人としての1/1億3000万の責任を、当事者としてまっとうしていないと感じるのです。

では、私はそのような司法の不備・不毛に何を思うかといえば、「対話」を継続することで、解決を模索すること。
ネルソン・マンデラ氏が行なっている、真実和解委員会の存在を広く知らしめることなのです。



西村氏の言論は、「個的・現実的」であり、

一方の梅田氏の言論は、「個的&集団的・理想的」である。

*

私は、すでに梅田氏が提出する言論たちをエバンジェリック(業界御用達)的であると指摘しているし、一切のローカライズ(日本導入のための微調整)を施さない乱暴なアメリカニズムの輸入と断じている。

パリのファッションショーで発表されたドレスが載っているファッション雑誌は東京でも売れる。
だが、そのドレスを東京で売っても、サイズは合わないのだから、売れないのは当然である。

同じようなことを、梅田氏はしていると私には思えてならない。

そして、昨今の「はてなスター」に関連する、コアユーザーたちのはてな不評を見ると、そのような軋みは広がっていると感じている。



そんなことを偉そうに言っているスポンタ中村は、どうかといえば、次のようになる。

理想は理想。

現実は現実。

個の論理は個の論理。

集団の論理は集団の論理。


今日は、今日だけど、明日があることを忘れてはならぬ。

明日のために、今日を台無しにしてはならぬ。

そんなことだろうか。



勿論、2ちゃんねるの西村氏・「ウェブ進化論」の梅田望夫氏の知名度に、スポンタ中村が及ぶはずもない。

とはいえ、佐々木俊尚氏の存在が、我ら三人を結び付けてくれるのではないか。と、期待している。

湯川さんも指摘しているように、リアルな場では、私は柔和な人物に豹変するのだという。

今後のコミュニケーションに期待するのみである。

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