2020年05月29日

キューブリック「2001年宇宙の旅」の勘違い。

spontaの立場は、

・映画は大衆娯楽

である。
つまり、「アート・シアター系」で興業される場合を除いて、

・映画は観客を楽しませなければならぬ

である。
さらにいうと、「マニアックなファンが沢山いる」場合であっても、彼らが親やこどもを連れて行った時、

・「マニアでない人たち」が楽しめなければ、「大衆娯楽のメディア(映画館)」で興業してはならない。


数年前のお正月。
娘を「スターウォーズ」の最新作に連れて行った。

客席が動き、振動し、噴霧器で水をかけられる施設がある湾岸部の映画館に、ふたりで出かけた。
シリーズはじめての「女性」がヒロイン。

例によって、「平時の人間」が敵地・戦地に赴く。そんなストーリー。説明はいらない。

ハリソン・フォード演じるハン・ソロも出ていたが、説明しなくても、ストーリーについていける。
だが、年老いたルーク・スカイウォーカーには、説明が必要。

・彼は、昔ヒーローだったんだよ。

そんなことを映画館の暗闇で、娘に囁いたかもしれぬ。


・映画は「自立していなければならぬ」。

説明が必要なのは、「好事家には高評価を得る」

のかもしれぬが、大衆娯楽として成立していない。


先日、「2001年宇宙の旅」のドキュメンタリーを観た。

・シナリオを担当したアーサー・C・クラークは、丹念なナレーションを書いたが、スタンリー・キューブリック監督は、「すべてボツ」にし
た。

結果、

・説明的な作品にならなかった。

・多様な解釈を可能にした。

・詩的(観客の感性を刺激する)。

だが、

映画館を後にした観客は、

・作品の「意味・答え」にたどり着けず、

居心地が悪い気分だったに違いない。

「2001年宇宙の旅」を絶賛する人は、キューブリック監督の「(独自の)文脈・作品歴」を知っている人たちであり、アーサー・C・クラークのSF小説に親しんでおり、彼の嗜好が予想できる人たち。

または、作品を観てから、キューブリックやクラークに興味を持ち、資料にあたった人ひとたちであろう。

芸術には、

・アポロン的(この世界の本質を描くもの)

・ディオニュソス的(観客の感情を動かすもの)

の2種類があるが、それらを〈択一的(オルタナティブ)〉と考えるのが、キューブリックである。


フランスの映画監督フランソワ・トリュフォーは、

・シナリオを書くこととは、過去に「同じような作品」を誰かが書いているという不安と闘うこと。

と述べている。

ナレーションを残して、かつ、詩的であり、観客の想像力を刺激することもできただろうに・・・。
つか、そのことで、陳腐になることを恐れたとも言える。


物語性が希薄な「2001年宇宙の旅」は、物語がそのままテーマになってしまう。その恣意性をキューブリック監督は避けたかったのかもしれぬ。

たとえば、彼の遺作「アイズ ワイド シャット」は、ストーリーの展開とは別に「陰謀論的な背景」を暗喩している。


ロココ趣味の

・モーツアルトが「(フリーメイソンの儀式をオペラにした)「魔笛」を書き、フリーメイソンに暗殺された」


との噂と、

・キューブリック監督が(秘密結社の秘儀を描いた)映画「アイズ・ワイド・シャット」の完成試写の5日後に死んだ(発生要因不明の心臓発作)


に「相似形」を感じている。



追記 (補足情報):

 人気海外TVシリーズ『ビッグ・リトル・ライズ〜セレブママたちの憂うつ〜』のプロモーションインタビューに応じたキッドマンは、生前キューブリック監督が「秘密結社」の研究に没頭し、彼らの恐ろしい実態を語っていたと告白。

「スタンリーは、ペドフィリアが世界を動かしていると言っていたわ」(キッドマン)

「彼は生涯を通して秘密結社を研究していたわ。すっかり夢中だった。そして、こう言ったの。エリート、つまりトップの秘密結社は特殊な性癖を持った男たちでいっぱいで、彼らはペドフィリアという共通点で集まり、結束していると」(同)

「彼らはお互いの黒い秘密を知っているから、そこから抜け出すことは簡単じゃない。死ぬまで団結するらしいわ。抜け出したいと思っても、他のメンバーに阻止される。世界をめちゃくちゃにしながら、死ぬまで組織に残るのよ。これがスタンリーが私に話してくれたこと。

だけど、とても複雑だから、ちゃんと説明できていないかもしれない」(同)

posted by sponta at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | ドラマ・映画・演技 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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