2020年03月15日

三島由紀夫 vs. 全共闘

三島由紀夫自決の1年半前。
全共闘の挑発にのって、東大に乗り込んだ小説家・三島。

ドキュメンタリー映画が公開されるということで、TBSテレビで特集が組まれた。


全共闘の論客・芥氏と小説家・三島の応酬が紹介され、(吉本芥川賞やバクモン太田がいた)スタジオは難しすぎて分からないと形容していたが、

極めて分かりやすい。

ひとことでいうと、

・「国家論」に取りつかれた人たちのマニアックな世界

であって、小説やアカデミズムという非現実を生きていない一般人には無用な世界。




全共闘は、革命を指向していたが、

武器は、「角材(ゲバ棒)」。火炎品。
防御は、ヘルメット。

そんなもので、国家を転覆できるはずはない。(つか、テロリスムさえ無理)

本気なら、イスラム国のように「民兵組織」を作らねば。

さらにいうと、2020年の現在でイスラム国、アルカイダなどを深く研究していけば、必ず、何らかの形で、超大国(アメリカ・ロシア・中国)や国際金融が介在することが見えてくる。(メタ論)

ならば、「国家論のありなし」で議論する構図は笑止である。(ノンメタ論)


全共闘・芥氏は、

・日本・日本人は事物としてあるか? (精神性の否定。日本の定義の不在)

と三島氏に問うのだが、それは「(空虚な)アナキズム=無政府主義」のための論理である。

無政府主義は、非武装中立に通じる「ありえない論理」。グローバリズムが実は、アメリカニズムであって、「人間・家畜化」に等しい。


一方の三島だが、天皇制を「日本の伝統・精神性」の本質と考えているよう。

・英語を喋ろうと、西洋思想を纏おうと、私たちは日本人であることは疑いようもない。そのことは海外旅行にいけば、しかと分かる。(日本のスピリットの提示。日本人の定義の不在)

だが、三島は三島で本質的な欠陥がある。

彼は、大正教養主義を嫌悪・否定した。
デカンショ・デカンショて半年暮らすのデカンショ節を思えばいい。
近代主観主義(西洋が世界進出をするための自己洗脳)の否定だからいい。

だが、日本人の本質を「天皇制」と認識していたこと。日本人の本質は、弥生時代以降に日本にやってきた「天皇」がらみの文化ではなく、それ以前に存在してきた縄文文化である。

・弥生文化: 寄生系
・縄文文化: 時給自足系

数学者・岡潔氏のように、「日本人の本質を求める」なら、天皇制ではなく、縄文。つまりは、三島も「国家論」に洗脳されている。

三島は「言霊」の存在の価値を認めていた。
それは、小説家ならではの立場だろう。


つまり、

空虚なアナキスト (全共闘)  vs.  無批判な「天皇制」追随派(三島)

という構図が分かってしまえば、単純である。


2020年、かつて社会党が掲げていた「非武装中立」を支持する人は皆無に等しい。政党洗脳された人を除けば皆無だろう。
同様に、三島の死後、二度の遷位を経て、天皇制の「思想性・イテオロギー性」は消え失せている。

2020年から1969年を眺めれば、笑止な世界。東大の卒業生と在校生は、(自分たちは頭が良いと有頂天になって、洗脳されていることも気づかず)「絵にかいた餅」を追っている。

旧占領軍が「占領者から、傀儡者に変化」して14年経過した時、すべきことはあった筈なのに、彼らは「大正教養主義の反動」としてのノンメタな活動に専心していた「おバカさんどうし」であって、問題の核心は遠いところにあったと思う。

占領下で発生した数々の○○事件、3億円事件、御巣鷹山墜落事故は、「ノンメタな捜査」では真相は明らかにならない。真実は「メタな推理・推論」でしか達成できない。

つまりは、

・ノンメタでしか思索できない東京大学ののホームカミングデー(在校生&卒業生の交流イベント)

それを2020年に愛でるのは、マスコミ的左翼者の自己賛美。
大衆はまったく興味をもたぬ。


実際には、

・言葉で話している限り、理解しえないこと。表現しえないことがある。

幕末の志士たちに受け入れられた陽明学は、「思索よりも行動」だった。
三島は、

・言霊で通じる。

との立場から、諦観がさらに進み、

・自らの魂で表現する。(割腹自殺)

に至ったのではないか。


昭和から、平成を経て、令和である。

1969年の出来事を、「難解でむずかしすぎる」。天才同士の所作などと括るのは、大間違い。
アナキストと右翼小説家の「茶番劇」でしかなく、どちらも「この世界の本質」を表現していない。

司馬遼太郎と同じく、三島由紀夫も、その時代でしか有用でなかった作家といえる。

普遍的な作家として生き残るためには、吉行淳之介氏のように「男女のこと」に小説世界を限定するのが、唯一の道である。

思想には、流行り、すたりがある。

posted by sponta at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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