2020年01月24日

独学の非効率性。

2012.07.09に「独学はダメ」という記事をアップしている。

「独学はダメ」の理由は、教科書などのテキストは「読解が必要」であり、諸要素の重要度の勘案が希薄だから。

教師について教わるなら、教師は生徒に

・「授業時間の範囲」で「最重要項目を伝える」

これがすばらしい。


たとえば映画&ドラマ。

私は小津安二郎監督の弟子・井上和夫氏の授業を受けているが、週に一回・合計10度ほどの授業で、先生は最重要項目を教えてくれた。

・カットとカットの接着力は、「絵柄の違い」に従う。

・同サイズ・同ポジションは、けっして直結してはならない。

この「2つの原則」を知っていれば、

・カット割り仕方。

・撮影の仕方。

・編集の仕方。

を自分で編み出すことができる。



しかし、井上監督が仰った

・「映像の根本原則」が書かれている本を私は見たことがない。

し、もし、あったとしても、「散文的な記述の中で埋もれている」はず。


韓流ドラマ「食パン王・キムタック」。

主人公は「パンづくり対決」を間近かに控えて、「パンづくりに関する大全集(十巻を越える大部)」を読み始める。すると、「門前の小僧、習わぬ経を読む」な師匠の孫は、

・そんなものを読んでもだめ。

・パンで重要なのは、「小麦粉・塩・水・イースト菌」の4つ

と総括した。

(主人公に)時間があったとしても、「大全集を読むこと」に価値はない。

・「大全集は、テキストを編む」こと

に最適化されており、実務家に最適化されていない。(つまりは、コツや勘所につき、無関心)


私の妻も娘も「料理教室に行ったことがない」。というか、「料理教室の教師たち」を軽蔑している。

というのも、「テキストに書かれていること」の再現しか出来ない。応用力がないから。

娘は「凝ったレシピを作った新婚芸能人」のブログ記事を見ると軽蔑する。

料理の勘所は「レシピ(作業指示書)」ではなく、「基本的な食材の処理法」の合理性を知り、その正しさを感じ取れる「嗅覚」である。

友人が凝った料理を作ったのを食べたが、娘は「胸焼け」を予感した。つまりは、「レシピを正確に再現」しても、料理人の嗅覚が確かでなければ、「上質な料理」は出来上がらない。

つーこと。

妻は、「匂いが混ざること」を嫌うので、冷蔵庫の収納でのラッピングは厳重・的確だ。


残念ながら、私には「優れた嗅覚」がないので、上質な料理を作れない。

「キムチもやし」のレシピを妻から教えてもらったが、各調味料の微妙な塩梅がわからない。

なのに、妻の作った「キムチもやし」と私が作った「キムチもやし」の出来映えの違いは分かるから、困ったものである。


話を戻そう。


何が重要か。

それを最初に提示する。

それが、

・「受け手(読者)の利益」のための最上策。

だが、アカデミズムの常套手段では、(筆者の業績獲得のために)「体系化」を最優先課題とし、

・「自立的でないタイトル」

も忌避しない。

※ 「自立的でないタイトル」とは、「本文を読まなければ、内容が分からない」タイトル。

私は、(大島渚監督と松竹同期の)シナリオライター・川辺氏の「ドラマとは何か?」という本が書棚にある(たぶん、首藤剛志氏の本箱から勝手に持ち帰った−−−)が、最初から最後まで読んでも「ドラマは何か?」につき、明確に書いたテキストに出会えなかった。

・ドラマとは、対立(葛藤 or 人間関係)である。

と確信するに至ったのは、TBS演出家・鴨下信一氏の

・最近のドラマには、アンタゴニスト(登場人物の対立関係)が足りない。

という発言を知ったからである。

小津安二郎監督の遺言は、

・映画はアクシデントではない。ドラマだ。

から、
小津映画の魅力は「(忖度する)心優しき登場人物たち」。ここから、対立関係には「葛藤」も含まれると結論する。

・外的対立 = 人間関係の対立 = アンタゴニスト

・内的対立 = 心理的対立 = 葛藤


20代の頃、劇作家・演出家・つかこうへい氏のエッセイを読破するまでに読んでいた。

・「ジャイアンツは負けない」: 報知新聞の偏愛的な巨人軍報道を、演劇的であると賞賛した。

彼の代表傑作「熱海殺人事件」は、冴えない職工と女給の殺人事件を、彼らの人生に唯一「陽が当たる(世間から注目される)」機会と考え、ショーアップさせていく物語である。
つか氏は「(戯画的)演劇的に、おもしろくする」手法を舞台でも、エッセイでも行っていた。

・演劇的におもしろくする。

とは、

・対立関係をエスカレートさせること。

である。

・「演劇的なおもしろさ」とは何か?

を誰も言語化しないから、誰も「なんとなく分かった気」になっている。

そして、私のように、「分かった」と確信するために30年以上かかったのでは、すでに作家としてデビューする機会は失われている。

そんな意地悪な言語空間を払拭・イノベーションしたい。
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