2019年10月19日

南アフリカ戦を前に、日本ラグビーの本質。

決勝トーナメント・準々決勝を前に、今回のできごとの「本質」をまとめておく。


「もう奇跡とはいわせない」とは、NHKの実況アナのセリフだが、2015年の南アフリカ戦は、油断していた相手を「土俵際のうっちゃり」で番狂わせを起こした感じ。

だが、今回のアイルランド戦、スコットランド戦は、ともに「危なげない勝ち方」「普通に勝った」である。

つまりは、試合の最初から最後まで、「スクラムで劣勢になる」ことがなかった。

陸上競技・徒競走では「スタート」が重要である。どんなに「快速の持ち主」でも、「気持ちの良いスタート」が切れなければ、実力は発揮できない。「スクラムで劣勢になる」とは、バックス陣が「じりじりと後退」しなければならないので、「快速の持ち主」が実力を発揮できない。

FW第3列や、ハーフ、センターも同じ。「じりじりと後退」していると、「怪力の持ち主」でも実力が削がれる。


そして、本場ニュージーランドのスタッフたちが、目を見張る「戦略」。

日本代表とアイルランドの試合を見て、「あのように戦っていれば、負けなかった」と悔やんだとか。


直近にテストマッチがあり、南アフリカに大敗している日本代表だが、心配はいらない。

合宿明けで疲労が残っており、万全ではなかった。それでも「スクラムで劣勢になった」とは聞かない。

大会直前だから、戦略を見せずに戦ったはず。

2015年の南アフリカ戦は、「フィジカル(格闘技的な筋力・腕力)」は互角だったかもしれないが「フィットネス(持久力)」は完全勝利。つまりは、後半の残り20分になった頃には、「日本代表が優勢になる」。その時に、勝っているか、または、互角ならば、勝利できる。


南アフリカのジャーナリストは、スコットランド戦の後半の戦いを見て、日本代表のフィットネスに弱点があるとコメントしている。だが、後半、日本代表は「耐える」戦術に変えたのであって、その戦術を20分以上継続でき、1トライ&ゴール差を維持し続けたのだから、まったくもって「問題なし」。危なげがなかった。

つか、「パワーラグビー」が身上の南アフリカが、「後半のことを考えて、体力をセーブすること」は不可能だろう。

日本代表の戦術は分からないが、南アフリカと日本の特徴は以下になる。

・南アフリカ:  相手をなぎ倒すラグビー。

・日本: 一撃必殺のタックルを賞賛するラグビー。
    スペースを見つけて、相手を突破するラグビー。


私が幼いころ見ていた、テストマッチでも「一撃必殺のタックルが爽快だった」。だが、今でいう「オフロードパス」でボールを繋がれ、勝ちに結びつかなかった。

そんな日本のラグビーの理想を、エディー・ジョーンズは、「フィジカルで負けないチーム」にし、負けないために失敗率の高い「飛ばしパス」と「オフロードパス」を禁じた。

さらに、ジェイミー・ジョセフは、前任者エディーの方針を変更し、「リスクを負わないと勝てない」をモットーに、オールブラックスの戦法を大胆に取り入れた。


そのようにして出来上がったものは、以下。

・筋力の向上は勿論だが、入念な準備と精密さで磨き上げた「スクラム」。

・筋力の向上は勿論だが、入念な準備と精密なルールで磨き上げた「ラインワーク」。

具体的には、

・パスの距離を「変える(短くする)」ことにより、「相手のラインを広げ」相手ラインの外側にスペースを作る。

または、

・パスの距離を「ロングパス・飛ばしパス」により、「相手ラインの選手間にスペース」を作り、フォワードが突破する。

逆にいえば、


・相手ラインが広がったと思えば、フォワードの突進。

・相手ラインが狭まったと思えば、ウィングの快走。

上記が、意思統一とサインプレーによって、再現なく実施される。


そして、

・アンストラクチャー (混沌状態)における、自由な発想によるプレイ。

だろう。


論理的に展開すると、一番リスクを負うのは、つか、「相手と互角になる」のは、アンストラクャー状態である。
とすれば、「ぎちぎち・決め決め」の状況でなければ、キックプレイは行わないはず。
さらにいえば、後半残り20分の、相手がバテバテになった頃、アンストラクャー状態から攻撃を進めるかもしれぬ。


ナンバー8の姫野選手は、所属チームの監督が南アフリカ出身なので、「彼らのやりたいこと」が分かると言ってるし、
ウィングの松島選手は、父親はアフリカの隣国出身、幼少期を南アフリカで過ごし、高校卒業後に武者修行に出かけている。
代表にも南アフリカ出身の選手は存在する。

南アフリカの選手たちが「理想とするラグビー」を知り抜いているはずだし、そのことをこの一週間、心に焼き付けたはずだから、大丈夫だろう。


かつての快速ウィング・大畑氏は、28対23で日本の勝利を予測しているが、私も同意見である。

五郎丸氏は、「南アフリカは、ジャイアン。体力にものを言わせて攻撃する。だが、体が大きいので、走りたくない」。
キックを多用して、フィジカルにものを言わせて前進する。
対策は、「ポゼッションするのではなく、南アフリカを走らせろ」。

つまりは、大きな展開で・・・。かな。
私としては、アイルランド戦のような「ポゼッションラグビー」が最良であり、アップアンドアンダー(ハイパントをあげて、前進する)ではないと思うのだが・・・。


ふむ。

やはり、日本代表は、相手を走らせて消耗させ、後半の後半20分に勝負をかけるべきなんだろう。




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