2019年08月23日

映画&ドラマの5類型。(その2)



【表現形式】

・Duel(「対立」が対決に展開する)

・Loss(「喪失」により、大切さを痛感する)

・Contrast(「対照的」に印象づけられる。事象は対立関係にある)

・Reference(「参照的」に描かれる。事象はメタ関係など、対立関係でない)

【表現内容】

・Passion(意志)−−−主体性

・Emotion(感情)−−−忖度

・Nature(性質)−−−悟性・インセクト


表現形式4項目(対決・喪失・対比・参照)、表現内容3項目(情熱・感情・性質)なら、「組み合わせはもっとありそう」と思うかもしない。だが、考えてほしい。

・情熱があるからこそ、対立を有む。

・感情(忖度)なら、対立は生まない。

・性質が対立していても、そこに意志がなければ Duel にはならない。

以下に、代表例を提示する。


1. Duel of Passion

・対立の相手が人間である。

ただし、対立の底に「行動原理」がないと「ドラマに深み」が欠如する。(行動原理に思想の違いがないと「チャンバラ」。行動原理・大義に対立があると「(上質な)時代劇」になる。「燃えよドラゴン」とその他のブルース・リー出演香港映画の差異)

ハリウッド娯楽作品、韓流ドラマなど。
「アンパンマン」

2. Loss of Passion

・対決の相手が「壁・檻・枷」である。

・超目標が主眼であり、対立の相手は「二義的」である。

たとえば、「貧富の差(檻)」が「金持ちへの憎悪」に昇華しているかどうかで、Duel と Loss の違いになる。
「風林火山」は信玄と謙信の Duel of Passionだが、「太閤記」は Loss of Passion (ロー・カーストから成り上がる「身分制度」との戦い)。
「太閤記」の爽やかさの原因は、 Duel のような敗者が存在しないからである。(秀吉をDuelistとして描いた太閤記も存在する)
ref. 情熱の挫折(池端俊策)

3. Loss of Emotion

・失われた「感情・情緒」を「愛おしい」と思う。

・向田邦子作品

・小津安二郎作品

・溝口健二作品(封建時代の制度を、主人公たちは受け入れている)

4. Contrast of Nature

・対照される「気質・性質」

今村昌平「楢山節考」「うなぎ」「日本昆虫記」では、意志&感情とは無関係の「(やむにやまれぬ)人間の本性」が描出される。

5. Reference of Nature

・提示される「気質・性質」

対比・対照でない「人間の本性」の提示。(メタ的? 散文的?)
作品が感動を呼ぶなら、「アンチ・ドラマとの境界」の形式として成立する。




これらの分類が必要な理由は、「日本が忖度の国」であるから。対立のドラマは「アンリアル」なのだ。

・・・だが、時代は動いている。


posted by sponta at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | ドラマ・映画・演技 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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