2019年04月30日

題名のない音楽会、三ツ橋敬子、牛田智大、奥田弦。(敬称略)


この三人について、spontaは、たびたび言及してきたが、先日の「題名のない音楽会」で競演していた。



形式批評(評価基準を明確にした吟味)することが、「批判」なのかどうかは、分からない。

モダニズム的な主観評価ではなく、ポストモダンな客観評価なのであって、事実を明らかにしているのであり、私の主観は「メタな次元」に存在する。

というか、「メタな次元」のspontaは、この三人のファンである。


この三人を知ってから、7〜8年経っている。
それぞれを俎上にあげながら、「タイム感」の重要性について、ブログで記述している。

・三ツ橋敬子嬢については、彼女がリスペクトする指揮者が「棒を振らない指揮者」カルロス・クライバーだと知り、「降らない理由」は、指
揮者と楽団員の「タイム感の共有」と指摘した。

・牛田智大君については、タイム感の重要性を説いた。タイム感のない演奏は「糸の切れた凧」だと。彼がリスペクトする中村紘子嬢は「タイム感のない音楽家」たち。小澤征爾、桐朋学園系に連なる。

・奥田弦君については、ジャズで一番大切なものは「スウィング(グルーヴ)」であると指摘。オスカー・ピーターソンの速弾きに憧れるとしても、タイム感がなければ「世界的なジャズ演奏家」には成れぬ。と。


spontaに吉本芸人ほどの知名度や発信力があれば、牛田君も、奥田君も、三ツ橋さんも、「タイム感」を得るための訓練をするたとが可能だったのに、無為の時を過ごしてきてしまったことが、残念である。

ジャズマンの菊池成孔氏によれば、「クロノス時間とカイロス時間」を同時に持つこと。

日本音楽コンクール・ピアノ部門の審査員嬢によれば、「テンポ感とリズム感」を持つこと。

これがなかなか出来ない。

*

習得するためには、ドラムセットの練習。(トランペットの日野皓正氏や、ロックギタリストの北島健二氏がこのタイプ)。

または、空手。(五島龍君が、このタイプ)。
が効果的である。


spontaのタイム感に対する覚書。

・高校1年の吹奏楽部の夏合宿。芸大ピアノ科に入学した椎野伸一先輩が、入学後に最初にやらされたのが「テンポキープの練習で驚いた」とのエピソードを披露。顧問の松本成二先生は、「音楽はすべて一拍子」とテンポルバートこそ、音楽の奥義と発言した。・・・だが、音楽の奥義は「タイム感」。グレン・グールドがすごいのは、「一人の演奏でも、連弾に聴こえる」。つまり、タイム感と、右手のリズム感、左手のリズム感を独立して存在できている。

・タングルウッド音楽祭で、ジャズのトランペッター・作曲編曲家・理論家のウィントン・マルサリスが、「ジャズの特徴は、コール&レスポンス」と、小澤征爾氏を前に解説する。・・・だが、コール&レスポンスはジャズだけの技法・奥義ではない。ギター協奏曲のアランフェス協奏曲で、指揮者の棒にソリストが従ったら、ギターソロとオーケストラの対話は成立しない。クラッシック音楽にも、「コール&レスポンス」は存在する。ラフマニノフのピアノ協奏曲にしても、タイムからグルーヴしなければ、ロマッチックな旋律を効果的に演奏することは不可能である。

・中学生のためのビッグバンドジャズのワークショップがあったが、指揮者の棒に合わせてドラムを叩くという「ありえない演奏スタイル」に絶望し、娘を参加させてなかった。だが、妻が参加させたいと言い、娘は日野皓正氏のビッグバンドのワークショップにドラムパートで参加することになる。日野皓正氏は、練習中にも、自分で楽器を吹く。彼の演奏はいつもグルーヴしている。

・ドラム講師。日野バンドの田中徳祟氏は、アメリカには「タイム感」という感覚があり、日野バンドでも、「タイム感が薄い」とよく叱られると告白される。

・トロンボーン奏者の片岡雄三氏は、「バックバンドにビートを預けると、スウィングできない」と指摘する。片岡雄三先生は、娘のヴォーカルに関して、「君は、歌っていないときもグルーヴしている」と絶賛する。

・娘は高校2年、ジャズヴォーカルに挑戦。ジャズシンガーのグレースマーヤ嬢から、アカペラでも「コード感」&「グルーヴ感」がある歌唱を見せられる。

・娘は大学3年。spontaと娘は慶應ライトの演奏会に行く。山野コンクール優勝団体だが、トロンボーンのソリストがグルーヴ(拍からの微妙なかい離)を始めると、ピアニスト(女性)は「グルーヴを、音出しのタイミングの狂い」と勘違いして、「間」を埋めてしまう。それが、何度も、何度も繰り返される。・・・笑止。つか、山下洋輔バンドのテナーサックス奏者だった中村誠一氏のバンドでも、同じことが起きていた。(横浜の野外ジャズフェスティバル)


娘に言わせると、演奏の様子を見れば、タイム感があるかどうかがわかる。

牛田君の演奏の姿勢と、ヴァレンティーナ・リシッツァの演奏の姿勢を比べれば理解できる。

牛田君の演奏を見る、奥田君の身体はグルーヴしていない。

三ツ橋さんの指揮も同様である。

そういえば、二子玉川の駅で、エリック宮代が歩いているのを娘が発見して、私が「歩いている時に、グルーヴしているか?」と訊いたら、「してない」と娘は答えた。
渡辺貞夫氏が、自分のバンドに呼んだパーカッショニストたちは、歩くときもグルーヴしていると、ジャズマンたちを驚嘆させたとか。





posted by sponta at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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