2018年06月21日

娘の母校の100周年パーティー。


娘は、世代を越えた先輩のお誘いで、受付や進行役として参加した。

かつては名門校。

平凡パンチ誌にコラムを持ち、若者たちが憧れた植草甚一氏の母校でもある。植草氏の膨大なレコードコレクションは、散逸を逃れるためにタモリ氏が購入している。

植草氏はジャズ評論家でもあるが、娘と先輩をつなげたのもジャズ。

先輩は、新宿のライブスポットのオーナーである。


パーティーはスピーチが続く構成。都立高校なので、小池知事もスピーチした。(学校とは何の関係もない、政治のスピーチだった・・・)
ロビイでは、クラッシック。会場では、ジャズ・コンポの演奏。

先輩(早稲田のダンモでは、タモリ氏よりも上級生)はパーティーの司会をつとめ、娘はタイムキーピングや、会場音のディレクション、出演者たちの世話をした。

娘は、新宿ピットインのPAさんと定期演奏会をこなしてきたし、日野バンドのドラマーたちと練習・本番を繰り返してきたから、大概のことは分かっている。アマチュアだが、そんじょそこらの素人とはレベルが違う。


帰ってきた娘は、ジャズ・コンボの女性ピアニストの楽屋話を楽しそうに話してくれた。そして、女性ピアニストの話を聞いて、「ジャズの道にすすまないでよかった」と嘆息する。

私は、「なんだ、そうか・・」。とビックリ。
「なれなかった」のではなく、「ならなかった」のか。

以下、女性ピアニストのジャズ現場の嘆き・・・。


観客を置き去りにする「難解なフレーズを演奏する」プレイヤーたち。

私が「ペンタトニックの構成音の羅列か?」と問いただすと、「ディミニッシュばかりで、ドミナントしない」。−−−もう、私には分からない世界。


演奏の善し悪しよりも、美人がひっぱりダコ。−−−誰もジャズを理解していないから、そうなる。

娘は「ステージ上の体罰」で全国的な知名度を得た中学生ビッグバンドの出身だが、娘に教えたくれた講師たちは、このパーティーの出演者たちにとっては「雲の上の人たち」。

娘のことを「歌っていない時もグルーヴしている」と絶賛したトロンボーン奏者は、「もう、ソロ演奏しかしない」と宣言しているという。

「バックバントにビートを預けると、グルーヴできない」と名言する彼は、「グルーヴしない人たち」とアンサンブルすることに耐えられなくなったのだろう。
彼は高校生の時、日本の老舗ビッグバンドの宮間俊之とニュー・ハードでデビューする。以来、原信夫のシャープ・アンド・フラッツで演奏することも珍しくない。
最近のジャズシーンでは、グルーヴと無縁なエリック宮代が業界ナンパーワン的な地位を占め、グルーヴ感覚を持った彼の感性は「もう耐えられない」状況なのだろう。


昔、娘をレッスン場に送る車から、舗道を歩く女性を見た。
その女性は胸が大きく、歩く度に胸が大きく揺れる。
歩くタイミングから、微妙に遅れて胸が揺れる様子は、まるでグルーヴ。と、娘に解説した。

−−−呆れ顔の娘。

それからかなり経った別の日。

二子玉川駅のホームで、エリック宮代を見かけたというメールが、娘から来たので、「グルーヴしてるか?」とメールを打った。
娘から「グルーヴしてない」と即答のメールが来た。

渡辺貞夫が連れてきた(アフリカ系)パーカッショニストたちの歩く姿にグルーヴをあるのを驚嘆したジャズマンたちのエピソードを援用して、娘に尋ねたのである。


私は、グルーヴについて、タイム感について、このブログに書いてきたが、ギョーカイの現状は惨憺たる有様。
私の理論の共同研究者である娘がギョーカイに進んだら、「分かっている」ばかりに、異分子として拒絶されたに違いない。


本人の言うとおり、プロの道に進まなかったのは、「懸命な選択」だったといえる。


当初、「歌ってほしい」と先輩から誘われたが、娘は「断った」。

プロならまだしも、プロになれなかったのだから、プロに混じって出演すべきでない。
当日のプログラムを見て、それでよかったと思う。

カラオケの時代、「人前で歌いたい」人は多い。卒業して10年も経たない若造が歌ったら、嫉妬されるに違いない。
歌では身体が楽器である。数百人も集まるところで歌うなら、「身体を響かせるトレーニング」をしなければなるまい。それが出来ないのだから、「断って当然」。


高校の最寄りの会場でのパーティー。娘曰く、大学の同窓会のパーティーよりも豪華だった。会費は8000円だが、寄付金が思ったよりも集まったのだろう。

娘はスタッフに過ぎぬが卒業生の一人として、ご馳走にありついた。そして、私と妻のために、出演者のための「今半のすきやき弁当(1500円の豪華版)」を持ち帰った。

ご馳走に縁のある娘である。

posted by sponta at 00:00| 東京 ☔| Comment(0) | スポンタと娘…。(子育て論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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