2018年05月24日

「テレビがおもしろくない」批判の〈本質〉。


1990年代以降は、ポストモダンの時代である。

その事実を「モダンに属する人たち」が隠蔽したので、平成時代は「埋もれたポストモダンの時代」。

ちなみに、モダンの時代とは「主観主義」「進化主義」を言う。

ポストモダンとは、「客観主義」「相対主義」の時代である。


モダンの時代。

私たちは、「(個の)主観」を誇っていたが、ポストモダンの時代では、「(個の)主観」よりも「客観的」なこと・ものを求める。

そもそも「モダン」とは、西欧の世界侵略のための「思想武器」であり、一般的な妥当性を持たない。


では、どうやって、〈客観〉を求めるか。


「人間は神ではない」から、〈集合知〉によって〈客観〉を求めるのが一般的と考えられてきた。


だが、SNSなどは、インセンティブされた人たちの巣窟なので、〈集合知〉とはかけ離れている。
そもそも、「ものを言う人」にはバイアス(偏向)がある。

サイレントマジョリティー(物言わぬ大多数)という語もあるが、彼らは「考えぬ人」。


そのような状況を考えると、〈客観〉を求める手法は〈形式批評〉しかないと結論できる。(spontaのオリジナル論)

※ 〈形式批評〉とは、「評価基準」を明確にして、評価すること。フィギュアスケートや体操競技は「形式批評」。〈(個人の)主観〉が入り込むことを極度に嫌っている。
一方、英語スピーチコンテストとは、〈個の主観〉を誇る審査員が審査している。


前置きが長くなったが、「テレビがおもしろくなくなった」という批判が起きている。

それが事実なのかもしれないが、そのままでは、「(批評者の)主観を誇る行為」でしかない。


マクルーハンは「メディアはメッセージ」と発言したが、半世紀以上が経って、希代の思想家が指摘したテレビの本質が多くの人に実感できる時代となったと私は実感している。

※ 「メディアはメッセージ」とは、コンテンツの内容ではなく、「メディアこそがメッセージ」。マクルーハンは「テレビは、世相誘導の装置」という意味を、このテキストに隠した。


テレビマンたちは、いまだに「モダンの時代」を生きている。

・・

一昨年、娘は在京テレビ局を相手に就活をし、玉砕したが、〈主観主義〉がまかりとおっている。玉砕の理由も、私が娘にポストモダン的な「客観主義」を刷り込んだからではないかと、反省している。

・・

「制作する人たち」も「鑑賞する人たち」も〈主観〉を誇っている。
「テレビがおもしろくない」と発信する人たちは、このタイプ。


あるべきは、〈形式批評〉。

つーことで、以下に、〈評価基準〉を明確にする。


【「テレビがおもしろい」の評価基準。】

・意外性。

※ 情報として、世の中に拡散していない情報に価値がある。

・(多元論的ではなく)二元論・二項対立である。

※ ○×クイズ、紅白対決などは、このタイプ。


【(「おもしろい」の基本条件である)「分かりやすい」の〈評価基準〉】

(認知科学的な)「覚えやすい」ための条件は以下。

・短い(簡潔)。

※ テレビの時間的な流れでは、視聴者は「複雑なこと」を理解できない。


・関連づけられている。

※ 散文的なことがらは、記憶しづらい。


・物語。

※ ストーリーになっていると、記憶しやすい。



フィギュアスケートや体操の審査員のような気持ちで、「テレビ番組を審査」すべきである。



「テレビは、思想誘導のためのツール」と、陰謀論な指摘をしたが、世界史的にみれば、当然の分析である。

・・

ギリシアの劇場は、多民族国家の市民たちに「(市民としての)共通な良識」や「(国家としての)求心力」を求めるために実施された。

パリのオペラ座(ガルニエ)は馬蹄形をしている。舞台左右の桟敷席から、舞台はほとんど見えない。この劇場は「演目を観るため」ではなく、「(貴賓席にいる)国王一族を観るため」に設計された。来場の目的は観劇ではなく、(上流階級の)社交である。

その現実を変えようとしたのがワグナー。彼は、「芸術が主役」の劇場・バイロイトを創造した。

・・


人類の歴史において、劇場・演劇の〈本質的な機能〉は、「作品を鑑賞すること」ではなかった。
同様に、テレビも・・・。

ならば、「最近のテレビはつまらない」と不満を言うことに、何の意味があるのだろうか。

posted by sponta at 00:00| 東京 🌁| Comment(0) | ドラマ・映画・演技 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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