2018年05月20日

ヌードの美術展(横浜美術館)


ロダンの「接吻」が来ているというので、見に行こうかと思い娘を誘ったが、「体調不良」で延期になった。
そこで、ヌード(象徴の媒体としての裸体)とネイクド(単なる裸体)について、短く解説した。

それは、

・形態論

・意味論

・擬人化

・機能論

・中世のキリスト教的世界

・グリム童話(民話の機能)

・ギリシア文化(神話の機能)

・エロとしての実用性

について。

以下に、概説する。


・形態論
・・形の吟味。美醜の違いなど。
・・・人間の〈本質〉を表現するにおいて、「美醜を排除した」のが、アンリ・ルソーの絵画である。

・意味論
・・作品が、何を「意味」しているか。音楽では、純粋音楽と標題音楽があるが、絵画の場合にも、「表層な意味」のほかに、「秘された意味」が存在することがある。 

・擬人化
・・抽象的な概念を「具体化」しているか。

・・・仏像は、概念を擬人化したものである。たとえば、「天使の羽根」は、「飛べること」の表現であって、「天使に羽根があるかどうか」は分からない。

・機能論

・・芸術作品の「具体的な用途」

・・・戦前の日本には、「御真影」という天皇皇后両陛下の写真を家に飾ることで、住人が「国民であること」を表現していた。飾らなければ「非国民」であり、コミュニティーの異分子として排撃される。
絵画を室内に飾ることのは、インテリアとしての価値だけではない。

・中世のキリスト教的世界

・・キリスト教が、ヨーロッパ人の世界観・死生観の基本だったので、キリスト教に関連する絵画を家に飾ることは、「(邪宗にとらわれた)異分子ではない」ことを表現するために必要だった。
中世の世界は以下のよう。
キリスト教的な死生観>キリスト教会>王様・国家・領主>雇い主>・・・

※ このような構造の中で、王様が教皇にひざまずく「カノッサの屈辱」は起きたし、教会の堕落が糾弾される「宗教革命」も起きた。

・グリム童話(民話の機能)

・・ドイツ民族を統合するために、「民話を共有していること」を利用した。その活動をしたのがグリム兄弟。芸術は、国家の成立と深い関わりがある。日本は「天皇」が国家の求心力の源泉となった。
王家を持たない半島は二つに分断されたし、自由の国・アメリカは「自由の国」というイデオロギーで国家の求心力を求めている。


・ギリシア文化(神話の機能)

・・ギリシア神話が、西洋の文化・芸術のルーツになっている。それは、日本文化にとっての神代の神話とは異なる。エディプスコンプレックスなど、神話の出来事が心理学に引用されることがあるが、因幡の白兎の挿話は、人間の本質を表現しているのではない。

・エロとしての実用性

・・芸術作品が、エロな嗜好を満足させる。
女性の裸体が描かれているなら、それが象徴であるなら、理想を表現するなら、作家の、依頼主の「エロティックな満足」を満たすために、制作されるのは当然の話である。

posted by sponta at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | 芸術論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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