2017年08月10日

佐々木紀彦(NewsPicks編集長)さん、竹下隆一郎(ハフポスト編集長)さんへ。マスコミとウェブの違い。

新・週間フジテレビ批評に、ウェブニュースメディアを運営する人たちが出演していた。

番組の焦点は、「旧来のマスメディア vs.ウェブメディア」だろうが、考察が甘い。

そこで公開メールの形で、指摘したい。




佐々木紀彦さん、竹下隆一郎さんへ。

はじめまして。
先日の出演番組を観ましたが、マスコミとウェブの違いを把握していらっしゃらないようなので、私の考察を披露いたします。
貴メディアのポジショニングの参考にしていただければ光栄です。



マスコミとウェブは、基本的に異なっています。

その違いは、以下。

・マスコミは、プッシュのメディア。
・ウェブは、プルのメディア。


昔、オーマイニュースジャパンの編集長に就任した鳥越俊太郎さんが、「ウェブで、女子アナに関する情報を読んだのだが・・・」と話題にして顰蹙をかったことがありました。
テレビや新聞はプッシュのメディアなので、「情報を公開したメディア」に責任がある。女子アナを話題にしたメディアが低俗ということ。
だが、ウェブはプルのメディアなので、「女子アナの情報を知りたい鳥越氏が低俗・ゴシップ好き」ということになります。

したがって、

・マスコミは、大衆を相手にする。
・ウェブは、(固有の情報をプルする特性を持った)分衆を相手にする。


つまり、リーチできる数が異なるのではない。最近では、人気Youtuberの閲覧数は、深夜テレビの視聴者数を上回るほどのようです。

テレビでも、放送時間帯によって、視聴者層が異なると言われていますが、ウェブの場合はそれが顕著。
したがって、視聴者層と広告主の顧客が重なるなら、テレビや新聞とは比べものにならない広告効果が期待できる。

ウェブは、テレビや新聞よりも、広告媒体として有効なのです。



さらに以下。

・マスメディアは、放送。
・ウェブは、通信。


リーチできる大衆の数の多少が、マスメディアとウェブの違いではありません。

放送と通信の違いは以下です。

・放送は、非対称。
・通信は、双方向。


放送は一方的にメディアが大衆に情報を流すだけ。下り回線のみ。
しかし、通信には、大衆からの登り回線がある。

マスコミにも、読者の投稿を受ける。したがって、かならずしも登り回線がない訳ではない。しかし、それは形式的なもの・ガス抜きのためのシステムでしかない。

つまりは、マスコミはマスコミニケーションではなく、マスディストリビューション。



さらに指摘できるのが以下。

・マスメディアの受け手は、不特定多数。
・ウェブの受け手は、特定複数。


ウェブでは、調べようと思えば「誰が何を見たか」を突き止めることができる。つまりは特定者。
一方、マスメディアの受け手は不特定多数。

ただし、特定複数が増えれば、実数は、不特定多数と変わらなくなる。

その結果、以下の特性がある。

・マスメディアは、利己的発信。
・ウェブは、利他的発信。


つまり、マスメディアでは、たとえ「利他的な情報」であっても、発信できない。
たとえ真実であろうとも、「ネガティブ情報」や「比較情報」は発信されない。
9.11の時、メルトダウンは起きていたし、工場被災で有害物質の拡散は事実。しかし、政府が否定しているから、そんなことは発表できない。
たとえば、警察が松本サリン事件で河野さんを逮捕した。化学の専門知識がある人は、農薬からサリンが合成できないことを知っていても、マスコミでは発信できない。当時、SNSが今のように普及していたらどうだったのか・・・。

一方、ウェブでは、「真実であるか」は証明できないにしても、「利他的である」と信じた発信者は、それが誰かを批判・中傷する情報であっても躊躇しない。

4大ネットワークのアンカーマンをウェブ者たちが降板させるに至ったダン・ラザーの事件のようなことは簡単に起きるのです。



マスメディアは「ネガティブ情報」「比較情報」が存在できないという ”きわめて歪な情報空間” なのです。

それを補完するのがウェブメディアのはずですが、「他人の悪口を言うのは良くない」などという俗諺を信じたまま、そして、訴訟をおそれて、マスメディアを追随している。


佐々木紀彦さん、竹下隆一郎さんにおかれましては、上記を勘案しつつ、ウェブならではのニュースメディアを構築して欲しいものです。



追記:

最近、西田敏行さんに関連して、「まとめサイト」が摘発されました。

今回の案件に反対しませんが、「引用も罪になる」という判例が、ウェブもマスコミと同様な歪な情報空間(ネガティブ情報が存在できない)に成り下がらせる可能性が少なくない。そのように危惧しています。
posted by スポンタ at 00:00| 東京 🌁| Comment(0) | 公開メール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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