2016年05月18日

追悼、蜷川幸雄氏…。


追悼特集で過去の稽古風景が映され、藤原竜也氏に「内面を追うと、外に届かない。外ばかり気にすると、中が空っぽになる」と言った。
そして、少したってから、「俺もお前と一緒に崖から落ちてやるから、とりあえずやれ」と…。


泣かせる言葉である。

「いま理解できないなら、理解しなくてもかまわない。でも、いつか理解できる時がくるから、安心しろ」。と言われた藤原氏は、最近、昔の稽古の録音を公園で聞いたが、ダメだしの連続に意気消沈したと、弔辞で告白する。


稽古で、演出家が役者を怒鳴り散らすのは、日本の演劇現場のありふれた風景である。実際に観たことはないが、演劇に近い場所にいたことがある私には、蜷川氏の稽古場と、その周辺で何が行われていたか、想像できる。

小栗旬氏は、蜷川氏と一時期嫌いあっていたが、その後、わだかまりが収まり、再び仕事をしようと思っていたところなので残念、と語っていた。

有名俳優となれ合うのではなく、挑み続ける演出家が、現在、どれくらい存在するのだろうか…。



私は演出助手の頃、「ダメな新人」に、(誰でも分かるような)アドバイスを、よかれと思ってしたら、「お前に言われる筋合いにない」と、強烈に反発されたことがある。以来、(自分が演出者でないなら)役者・俳優に向かって、(その人の)演技について語ることは極めて危険な行為だと思い、一切、口をつぐんでいる。

有名になり、経済的にも恵まれた俳優なら、なおさら…。キムタク氏に、指示できる演出家は、ジャニーさん以外、もはや存在しないだろう。



蜷川氏の長女氏は、最後の10日間「感謝の言葉ばかりを口にしていた」のであり、父は「人生のどの時期も、やりたいことができた。幸福な人生だった」と形容した。

私は、最後の10日間に「謝罪の言葉」ばかり口にするだろう。そんな私を娘は、どう形容するのか…。
posted by スポンタ at 07:16| 東京 ☀| Comment(0) | ネットウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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