2015年11月02日

映画「マイ・インターン」とパリ・オペラ座。

2001年の「千と千尋の神隠し」以来、十数年ぶりに映画館で、映画を観た。
その理由は、娘が卒論で、「映画&ドラマの評価」をテーマにするので、ケーブルテレビで名作・旧作の映画&ドラマを多数観ていたのだが、「映画館での経験」が久しくないのなら、私の鑑賞能力も信頼度に欠けるのでは…。と、思ったからである。

などと、もっともらしいことを書いたが、要は、「自転車でいける街」に映画館が出来て、昨日は、「映画の日」で1100円だったから…。



日曜日の6時からの上映で、シネマコンプレックスは賑わっていた。客席も満員で…。
昔は、予約などはなく、自由席で席を探すのが大変だったし、ヒット作を立って観たことも懐かしい。
椅子はふかふかで、ポップコーンや飲み物を椅子に置くことも楽チンである。

観た映画は、「マイ・インターン」。つまりは、ヒロインは、「プリティー・プリンセス」、「プラダを着た悪魔」などで知られるアン・ハサウェイ。共演は、ロバート・デ・ニーロ。

感想は、

…。



プリティー・プリンセスのアンハサウェイも、いまや30代の女性か…。
ロバートデニーロに至っては、名画「タクシードライバー」は、遥か昔。



映画学校時代、スクリーンに食い入るように、観ていたのが懐かしい。
お金もなかったから、ロードショーはたまにしか行けない。はがきをせっせと出して、ヤクルトホールで試写会。砂を咬むような思いをしながら、将来の見えない映像の世界を目指している自分にとって、入場料も払わずに華やいでいる人たちに大きな違和感を感じたもの…。

当時の私は、カンヌ映画祭でグランプリを授賞するような芸術作品を中心にして、ヨーロッパ映画を観ていた。具体的には、池袋文芸座・高田馬場パール座、日経小ホール(カトルドシネマ)、国立近代美術館フィルムセンターなど。

好みの監督は、アンジェイ・ワイダ、フランソワ・トリュフォ、ファスビンダー、ロベール・ブレッソン、ウッディー・アレン。
嫌いな監督は、ジャンルック・ゴダール。

日本の監督で好みに合うのは、ほとんど存在せず…。というか、名前ばかりで、ひどい作品をつくる監督ばかり…。



映画「マイ・インターン」は、「ご都合主義」的なストーリー展開で、感動や情趣は生むものの、さて、どうなんだろうか…。との疑問を持つ。

アンタゴニスト(対立)は殆ど無い。というか、強烈な悪役はいない。
かといって、ウッディー・アレンの作品のような「人物を描くこと」は、中途半端に終わっている。


つまり、外的対立(アンタゴニスト)が希薄なら、内的対立(葛藤・アンビバレンツ)を表出すべきなのだが、それが出来ていない。

ご都合主義と言ったのも、ヒロインの状況を「苦境に陥らせたり」・「幸福感を得させる」人物(母・夫)の「心理的な経緯」が一切表現されないため、「物語を盛り上げるため」に、母や夫が「変心」したとしか考えられないのである。

*

アンタゴニストがなくても、物語は成立する。ただし、アンビバレンツが必要。
このことは、ウッディー・アレンが証明しているだが、そのような「鑑賞力を必要とするドラマ」が、アンハサウェイが出演するような「娯楽作品」に相応しいのかといえば、私は間違っていると思う。

つまりは、この作品は、駄作・失敗作──。




放送大学の青山昌文教授の芸術論の講座を見ているが、彼曰く、パリのオペラ座は、「劇を観るため」に貴族達が劇場を訪れるのではなく、貴族達が「バルコニー席から、自分たちの姿を一般の人たちに見せるため」に存在したのだという。
事実、大統領がオペラを見る席は、舞台の左すぐの2階であり、大統領は「舞台を観にくい」が、「観客からは見えやすい」場所にいるのだ。



私が必死に映画を観ていた昭和は、「観るための映画」の時代だったが、平成の今、私のような鑑賞態度は古めかしく、コーラとポップコーンを備えて、恋人達や子供連れが楽しい一時を過ごす娯楽へと変化していったのだろう。

勿論、作品の価値・品質が、その作品の二次流通に大きな役割を果たすことは確かだとしても、そんなこと、日曜日の午後を楽しく過ごした人たちには、関係のないことなのだ。
というか、「観てしまった」のは、「食べてしまった」に等しく、すでにお金を払ってしまったのだから、「おいしかった」と思いたいし、「お前が食べた料理は不味い」などと、人から言われたくない。

posted by スポンタ at 07:29| 東京 ☁| Comment(0) | スポンタと娘…。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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