2015年08月17日

ネガティブ情報の流通。

標題は、娘と私の共同研究のテーマである。

結論を言うと、日本において、「ネガティブ情報は、公式情報(メディアを通じたコミュニケーション)として流通しない」。これが結論である。




何について、話題にしているか? といえば、又吉氏の「火花」についてである。

私は、小説家・シナリオライターの首藤剛志氏に従っていた時期があるが、そこで指摘されたのは、「形容詞は主観的であり、小説では要注意」ということ。

つまりは、「美しい花」は問題外。あるべきは、「赤い花」とか…。な感じ。「美しい」は筆者の主観であり、小説が本来あるべき客観的な描写ではない。

形容詞に対する無配慮な使用は、「火花」に頻出する。

*

さらに、安易な、クエスチョン&アンサーもダメ。

これも「火花」には頻出する。



娘は、冒頭の1/3程を読んで呆れ果てたのだが、テレビ番組に、又吉氏が執筆に使う喫茶店のマスターが出演していて、喫茶店でクラッシックが流れていた…、という描写が気に入っているのだと、紹介されていたのだという。

娘は、「クラッシック」という表現に呆れ果てた。

曰く、クラッシックと音楽をククルことなど、音楽ファンならありえない。つか、たとえクラッシックファンでなくとも、ベートーヴェンの曲が流れているのと、モーツァルトが流れているのとでは、同じクラッシックでも、喫茶店の雰囲気は大きく変わる。そんなことも気にならない感性と、芥川賞は似合わない。

クラッシックと一口にくくってしまう感性に、インテリジェンスを感じないと、娘は言う…。




「火花」は、段落の最初の文章が、「あらすじ」的な抽象度で、その後に、小説の「地の文」的な抽象度になる。それがなんとも、気持ち悪い。と、私は娘に指摘する。


娘は、「小説の基本的な作法」がマスコミで共有されていないのではないか。と指摘するが、私は、マスコミでは、同業者批判になるから、流通していないだけであって、小説家の養成学校では、私が首藤氏から学んだようなことが教えられていると、伝えた。

シナリオライター養成講座では、「説明セリフはやってはいけない」と教えられるが、橋田寿賀子氏は「渡る世間…」を始めとして、説明セリフのオンパレードである。つまり、「説明セリフを書いてはいけない」は、シナリオライター養成講座(P2P)では発信されるが、マスコミ(メディア)では発信されない。

そんなことをすれば、橋田批判になるから…。である。

*

そのようにして、ネガティブ情報は流通しない。

小説界も同じであろう…。



文化的同一性が高い日本のコミュニケーションの特徴であるからして、それに抗っても無駄である。

ならば、コンテンツ界にリーダーシップを取るコミュニティーで、ネガティブ情報をP2P的(クローズドで)に流通させる他ないだろう。




さて、サッカー。

ハリル・ジャパンで、さまざまな問題が出ているようだが、本質的なことは、フィジカルでもなんでもない。ボールを持った選手が、「ディフェンダーを引き付けること(コンタクトしない)」なしに、ボールをパスしてしまうから…。それがすべての原因である。

コンタクトがあれば、そのディフェンダーは「死に体」になる。しかし、コンタクトの前にパスをするから、状況を変えることができない。
そういうコンタクトを恐れないのは、本田ケイスケ氏のみである。本田選手は、ディフェンダーを背負ってボールをキープする。それで、ディフェンダーが「死に体」になれば、その分のスペースが生まれる。

誰かは忘れたが、中西選手に「勝負しろ」と叱咤した代表監督がいたことを憶えている。個と個の勝負を避ければ、全体の勝負に勝てるはずもない…。

*

選手は、ボールを取られるよりは、パスしてしまったほうがマシ。しかし、そうした消極的は判断の集合体が、代表チームのダメさを創発する。

*

しかし、そんな単純なことも、ネガティブ情報だから、マスコミには流通しないのである。
posted by スポンタ at 07:36| 東京 ☁| Comment(0) | スポンタと娘…。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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