2013年07月10日

論文(文系)の書き方

大学1年生が、春学期の課題提出の山場を迎えている。

同級生たちが、論文の書き方について、ググッていたので、娘が「論文の書き方」を指南したという。
そこで、もういちど、論文について、簡潔にまとめておく。



論文においては、テーマ:theme, motifという考え方ではなく、争点:issueという考え方が重要だと思われる。
何故なら、対称概念、対照物などを勘案しない論文は、客観的な視点を持たないから。


論文と作文の違いは、「客観的であるか」どうかである。

しがって、論文の構造は、

プロローグには、「主観から客観」への展開部があり、
本文は「客観」。
まとめも「客観」である。
だが、「論文」は個によって発信されるものだから、所詮は「主観」。
そこで、「客観から主観」に落とし込んで、その構造をあからさまにすることで、誠実さを見せて、終了となる。




【論文のタイトル】
…内容が簡潔に分かるタイトル。タイトルで内容が分からないようなのはダメ。


×私の夏休み。
〇花火大会の素晴らしさ。

×私のフランス紀行。
〇私が実感したフランス人気質。


【構成について】

数ページにわたる論文を書く場合、200字〜400字・800字の段落を積み重ねる形で、論文を構成するといい。
筆が進んで、1200字程の段落が書けてしまったら、内容が「複数に分かれていないか」。「ふたつの段落に分けること」も重要である。

段落には、小見出し(キャプション)をつけると、構成感が増す。キャプションだけを「抜き読み」して、本文を「ナナメ読み」するだけで、「読者に概要を分からせる」のは、論文作成者の「読者への優しさ」である。


「大学教授」は研究者であり、「学生のレベルの低い論文など読みたくもない」という先生の本音を理解しあげることが重要。
刺激的・魅力的な文章を書いて「先生を喜ばせよう」というのは無理。
何故なら、先生の「専門的な興味」は授業の内容とは別のところにあることが多い…。授業のほとんどは「総論」であり、長年研究を続けている大学教授は「各論の各論」にまで、研究テーマを掘り下げていっているはずだから…。

ならば、「読解をしなくてすむ」ように「簡潔・平明な論文」を書いて、先生の負担を減らしてあげるのが「学生のやるべきこと」だ。


前後の段落の関係は「不即不離」。つまり、「近づき過ぎず」「離れ過ぎず」でなければならない。
一般的に知られていないが、映像編集におけるカットの接着力は、「画面の内容が異なっている」ほど、強い。たとえば、青い色のカットの後に水色のカットを続けるよりも、青い色のカットの次に赤い色のカットをつづけたほうが、しっくり行くのだ。

*

楽曲の構成を考えてもいい。

例:
「木綿のハンカチーフ」(一番は高校時代、二番は卒業直後、三番はすこし経って、そして、別れの時)
…コーラス(1番、2番、サビ...etc.)の展開は、時系列にすすむことにより、構成感(進行感)が生まれる。

井上陽水の「アジアの純真」。
♪北京、ベルリン、ダブリン、リベリア…
のような楽曲は、構成的ではなく、評価されない。


◇     ◇     ◇

【一般的な構成】

1.リード文:争点。または、論文のあらすじ。要約。


例:ラーメンスープの地方における違いついて論じる。



2.争点の重要度。


例:ラーメンブームというが、スープの味は異なるので、同じラーメンとして論じるのは無意味である。そこで、ラーメンスープを好き嫌いではなく、地域性と関連して述べることにした。



3.パッションステートメント:自分にとっての「争点の重要度」。


ラーメンは私の大好物。それは母も一緒。しかし、私は濃厚なパイタンスープが好きだが、母はあっさり好みで醤油味が好き。そこで、いつもラーメン屋に入る時に争いがおきる。ラーメンは、私にとって一大事なのだ。



4.本文

基本的には、

法則・理論 → 現象
(抽象→具象)

現象 → 法則・理論
(具象→抽象)

である。

その前提として、

個別の事象 → 一般化
例:私の経験 → 誰でも経験するような経験
昨日私は寝坊して授業に遅れました(個人的な経験)。→(一般化)→それは特別なことではなく、誰でも決まった時間に遅れることってありますよね。

また、

断定 → 理由
例:青山通りには、美人が沢山歩いている。その理由は、アパレル関係のオフィスが沢山あるからだ。

断定 → 詳説
仙台には美人が少ないといわれる。私は旅行で仙台に行ったときに、それを実感した〜。

*

その他、

総論 → 各論
例:(総論)日本人論 → (各論)東京人論
            → (各論)関西人論 
            → (各論)西洋人との相違点
            → (各論)アジア人との類似点

取材 → 意味抽出(主観的)・法則/理論抽出(客観的)
例:フィールドワーク(AKB48劇場に行った) → 感想・まとめ(私はこう思った・感じた・考えた)

*

機能論的なアプローチ(役割、役目、効能)

*

構造論的なアプローチ(しくみ:垂直&水平)

*

歴史的なアプローチ

*

同時代的な比較対象のアプローチ

*

その他、統計的・数理的な分析、科学的な分析、社会学的な分析、文化人類学的な分析、心理学的な分析、経済学的な分析など、さまざまに分析の方法は考えられる。


上記を積み上げていくことにより、論文が「主観によるもの」ではなく、「客観的」で、「妥当性」「汎用性」のある理論・推論であることを印象付けるべきである。



5.まとめ。

本文のまとめ。または、複眼的なアプローチで論述してきたので、それぞれのアプローチを総合したり、それらに優先順位をつけることにより、争点の決着について記述する。



6.あとがき。

論文は、「神の視点(客観的な立場)」において書くが、ここでは、「主人公の視点(個の主観)」が書くことが許される。




評価基準については以下に先述している。

http://sponta.seesaa.net/article/361469222.html

論文作成上の注意も…。
http://sponta.seesaa.net/article/364202323.html

どちらにしても、重要なことは、

・オリジナリティー。
・論理的展開のそつのなさ。
・出典の妥当性。

それらについて、エレガントなことである。


アカデミズムは、ディレッタント(衒学的)な世界だということを忘れてはならない。
アジ文(学生運動で使われるような自己主張(アジテーション)な文章)を書いてはいけないのだ。





posted by sponta at 08:30| 東京 ☀| Comment(1) | スポンタと娘…。(子育て論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
仮説→証明

というプロセスが(何故か)抜けている。

パッションステートメントは、仮説を立てた「論者の立場」を規定するので、重要・必要である。
Posted by spt at 2020年02月06日 23:52
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