2012年10月21日

大橋巨泉氏の不誠実。または、「不完全な懺悔」。

昨日、車でラジオを聴いていたら大橋巨泉氏が、永六輔氏の番組に出ていた。



昔話をしていたのだが、生前の田中角栄氏が、出馬要請をしてきたので、テレビで多額の報酬を得ているから、歳費だけではダメと断ると、税金のかからない金を用意したから大丈夫と言われ、断るのに困った。という話を自慢げに話していた。

その後、角栄氏が病気にかかり不幸な晩年を過ごしたことを話題にし、次に、アメリカにたてついた橋本龍太郎首相が病気になったこと、最後には、首相に就任するまではまともなことを言っていた野田首相が、首相になったとたんに豹変したと…。
そして、いまだに日本はアメリカに支配されているような感じがする。と、締めくくった。



マスコミの有名キャスターであり、歴代の首相と顔なじみである彼が、「いまだ日本はアメリカに支配されているような…」などと抽象的なことを言うことが、誠実なる人の所作だと私には思えない。

私には、大橋氏は、裏金を提供した角栄氏同じようなエピソードを、アメリカに関しても知っているのに、それを披露する覚悟がないため角栄氏のエピソードでごまかし、アメリカは…。などと煙に巻いた。と思える。



青春期の私は、大橋巨泉なる生き方に憧れ、彼がテレビ番組でたびたび力説する「二大政党制」に共感していた。しかし、二大政党制は、多元論/多神教の日本人には似合わない制度であった。これは、民主党と自民党が裏で大同団結をしているのではないかと疑われる昨今、誰もが認めることだろう。



菊地成孔氏の本を読んでいるが、彼の本にも、二元論との言葉がよく出てくる。根本的にいうと、この二元論という思考こそが、モダニズムの源泉であり、それによって、世界の諸文化が根絶やしにされてきたと、私は推論している。私にとってモダニズムとは、「等差級数的」に世界に侵食してきた二元論的世界観が、始めて「その勾配を感じさせた時期(勾配が1以下だったのが、1以上に変わる前後)」ということになる。そして、モダニズムが終わってしまえば、今度は勾配がきつすぎて、誰も感じなくなる…。



最近では、地上波のテレビ局が「反日的な情報操作」を行っていると、多くのネット者が指摘している。また三大紙も極めて「反日的」であると批判されている。
その構図の中で、大橋氏を眺めてみると、彼が極めて「反日的」だったことが理解できる。だが、そのことに青春期の私はまったく気が付かず、不覚にもあこがれていたのである。



複数の首相の不遇な晩年にアメリカの影響を感じ取るなら、というか、そういうことをマスメディアで発言する人は稀であるなら、巨泉氏のオリジナルだろう。首相の病気とアメリカを結びつけるなら、それは「アメリカが何者かを使って、言うことをきかない首相たちに毒を盛った」という意味になる。

普通の人間なら、その原因を探りたくなる・知りたくなるのが必定。
テレビキャスターとして活躍するような好奇心旺盛な巨泉氏なら、当然のこと。

ならば、アメリカについて研究した筈だし、、アメリカについて研究すれば、その底にあるものにも気がついたはず。さらにいえば、彼は、番組で矢追純一氏やユリ・ゲラー氏とも出会っており、超常現象についても、仕事がらみで豊富な知識を持っているはず。

そんな彼が「何かをほのめかしている」。

その意図は、「自分の言っていること」を分かって欲しいのか、「自分は悪くない」といいたいのか、どちらだろう。

私には、老人にありがちな「不完全な懺悔」と思えてならない。彼には、自分の知りえたことを黙したまま棺桶にはいる覚悟もない。



菊地成孔氏が指摘しているように、モダンジャズともに「モダニズム」の時代は、終わってしまった…。

モダニズムに手を貸した人たちの「不完全な懺悔」は、これからも続くのだろうか…。
posted by sponta at 07:45| 東京 ☀| Comment(1) | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
世界はアメリカが牛耳っているという話。

新型コロナウィルスはどうなんだろう?
Posted by spt at 2020年03月31日 19:49
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

ファン
 メッセージを送る
 このブログの読者になる
 更新情報をチェックする
 ブックマークする
 友達に教える
RDF Site Summary
RSS 2.0