2010年01月05日

悪魔のように細心に、天使のように大胆に。

黒澤明氏がCMで語っていたセリフの意味が、2010年にやっと理解できた。







あるネット者は、「天使は神に守られているから大胆に振舞えるが、悪魔は擁護者がいないので注意深く行動しなければならない」と解釈する。

しかし、ネット者の解釈における神は、救世主であって創造神ではない。ならば、創造神は悪魔さえもつくっているのだから、意味は通じない。

悪魔は救世主と対峙するべき概念である。



黒澤明が心がけた映画づくりが、「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」。だという。その真意を誰も伝えていないことは、不可思議なことである。その不可思議なことが、この言葉の価値を創出する。

私の解釈は以下…。

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悪魔は闇の世界の住人である。
だから、闇の世界の住人である悪魔は、光の世界に姿を現すと、あらゆる存在から攻撃されてしまう。
そこで、天使をつくりあげ、闇の世界から光の世界を操ろうとする。

そもそも私たちの世界には、天使も悪魔もいなかったのである。
人生いろいろ、人もいろいろ、神もいろいろ。八百万の神々の世界が現実界なのである。

そうした混沌とした世界(リアルワールド)を善悪で切り分け、単純化するのが物語。…つまりは映画である。

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黒澤明は、シナリオを編みながら、時として悪魔をつくり、時として天使を作る。

天使は陽気だが、阿呆。…騙されやすい。
悪魔は陰気だが、繊細。…人を騙すこともある。

善人は、自らを忘れるために他人におせっかいをする。
悪人は、自らをつきつめて考えた結果悪事に走る。

そして、画面には決して登場しない「天使と悪魔を操る映画監督」という存在こそ、最大の悪魔である。と、黒澤明は含意したに違いない。



「悪魔のように繊細に、天使のように大胆に」。
この言葉に象徴される黒澤明の単純さが、西洋人たちに好まれたに違いない。

私たち日本人は、「天使と悪魔」の世界には居ない。

「八百万の神々」の国に暮らしている。
posted by スポンタ at 10:30| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ポストグーグル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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