2009年03月17日

小説先祖供養_82

…さて、ダウジング。これは1991年ごろに実際にあったことなんです。懐かしいなぁ…。



第十五章:ダウジング

 民放に『ワンダーシーン』という番組がある。この番組は現代の科学では説明のつかない世界を毎回取り上げ、視聴率を稼いでいる。そのテーマは毎回毎回異なり、超能力やUFО、オカルトやアトランティス大陸など、多岐に渡っている。私がチャンネルを合わせたこの日のテーマはダウジングだった。
 番組はまず、アメリカ・カリフォルニア州の水道局員が地中に埋まっている水道管の水漏れ箇所を探すためにダウジングを行っている映像を紹介した。
 水道局の職員は、Lロッドという、くの字型の金属の棒を両手で抱えて歩いて行く。職員の持っている棒はある地点へ来ると突然跳ね上がった。職員は同じ場所を何度も行き来して、棒が跳ね上がることを場所を特定すると、同僚に向かって、「ここが水漏れの場所だ」と、合図した。
 水道局の工事車両が現れて、掘削が始まると、地面の中から水を跳ね上げている水道管が現れた。
「こんなことはあたり前さ。我々水道局の職員はダウジングが出来ないと仕事にならないんだ。だから、新米の職員は一生懸命にダウジングの練習をするんだよ」
「ダウジングって、誰にでもできるようになるんですか?」
「人によって向き不向きってもんはあるんだろうけど、でも、それはどんな職業でもあることさ。少なくとも、俺はダウジングの練習をしてものにならなかった奴を見たことはないけどね」
 ダウジングは、水道工事の作業効率からして、必要不可欠なものなのだろう。しかし、水道局員といえば、立派な役人である。その役人が占いの一種ともいえるオカルティックな手法を使って仕事をしていることを公言していいのだろうか。
 ダウジングは水漏れだけでなく、古くは水脈、鉱脈、そして、さまざまな占い。また、病気の治療法として使われてきた歴史がある。そして、その歴史は紀元前六千年頃の北アフリカにまで遡るという。
 聖書の出エジプト記の中には、モーゼが人々を前にして杖で岩を二回叩くと、水が豊富に湧いてきたというダウジングを思わせる記述もある。ヨーロッパの人々にとって、ダウジングはある時期かなり一般的なものだった。しかし、中世からルネサンス期にかけて、悪名高い魔女狩りが行われる時期になると、ダウジングも魔術だと恐れられ、ダウジングを行うダウザーたちも処刑された。そして、最近までダウジングは一般的に行われなくなっていた。だが、水脈を探すというダウジングの手法だけは、生活に不可欠だったから、弾圧の歴史をかいくぐって伝承されたのである。怪しげな魔術といえども、結果は無視できない。
 今世紀に入っても、世界的な大企業は油田開発や鉱脈探しという巨大プロジェクトにダウザーを活躍させているという。
 今回の放送では、ダウジングを科学的に検証していくためのいくつかの実験が試みられていた。実験の結果はけっして芳しいものとはいえなかったが、ダウジングを行わせるのは、ダウジングの道具ではなく、それを操る人間の未知の力なのだということだけは確かめることができた。
posted by スポンタ at 11:33| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説・先祖供養 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/115556312

この記事へのトラックバック
ファン
 メッセージを送る
 このブログの読者になる
 更新情報をチェックする
 ブックマークする
 友達に教える
RDF Site Summary
RSS 2.0