2016年02月11日

NHKの社会悪。

録画しておいた「岩井俊二のMOVIEラボ・シーズン2」を観た。

http://www4.nhk.or.jp/movielab/27/



どうなんだろうか?

この番組を観る人たちは、「映画・映像作品の作り方」を有名映像監督から、学びたいと思っているのではないか。
とすれば、スタジオに集っている「学生素人」の作品を講評するだけの番組に満足するのだろうか…。


この番組を観る人の殆どは、「(口に出すかどうか、そのために行動しているかはともかくも、心の中では)プロをめざしていて、そのためのスキル・ノウハウを知りたいと思っているに違いない。しかし、そういうニーズに、この番組は、まったくと言ってよいほど、答えない。

この回では、8本の素人映像作品が紹介され、岩井氏によって講評された。しかし、「何がダメか」を指摘しない講評では、素人視聴者は、何がなんだか分からない。

たとえば、この映像。アイデアも、シナリオもよく出来ている。

http://www.nhk.or.jp/program/movielab/movie05.html

しかし、演技がダメ。つまり、「借金の返済を求める人物」の凄みの演技と、「借金を返せない人物」の困り果てた演技が出来ていない。その状況で、「彼氏の味方をする彼女」の度胸と、その裏にある「たくらみ」の対比が演技演出でできていない。
最低なのは、「自撮り棒」で「借金取り」を殴り倒すショットが、「引きのワンショット」なので、分かりにくい・迫力がない。

そして、痛感するのは、「映像の文法の基本」が分かっていないこと。




「映像の文法の根本原理」は、ただ一つ。

 同サイズ・同ポジションは直結してはならない。

井上和男監督(通称・蛮さん、小津監督の弟子)が教えてくれました。先生は、例外として映画「座頭市」の主人公の居合い切りで、アンリアルに物がカットされるシーンを指摘しました。



井上和男監督作品(サムネイルは、井上監督。)

したがって、以下のようになる。

 編集点の接着力は、前後の画面の差異の大きさに従う。 


カットの差異は、被写体の種類(人物・物体・風景・見た目・主観移動など)の他、以下の3種類がある。

1.サイズ

2.ポジション

3.アングル


サイズとは、ロング・フル・バスト・アップなどのこと。

ポジションとは、正対・プロフィール(横顔)・シルエット(後ろ姿)。

アングルとは、俯瞰(上から)・アオリ(下から)。

その他、フィックス(固定)・移動・クレーンなどもある。

また、カットの長さにも、多様なバラエティーが期待できる。



したがって、編集技術においては、「変化に富む」ことが、プロの仕事としては、日常的な仕事。
そのためには、「被写体とカメラの関係」を常に意識する。
つまり、「寄る」のか「引く」のか。「あいまいな距離」は、ボクシング同様に勝利しない。

しかし、素人の映像作品の多くは、中途半端のヒキメのフルサイズ。中途半端な7:3のポジション。何も考えていないアイレベル(眼の高さ)のカメラが頻出する。



はっきり言ってしまえば、上記を知れば、NHKの番組を観る必要がないばかりか、映像の専門学校で学ぶ必要も無い。
否、業界に入りたいという意志を示すためにだけ、映像の学校に行けばよい。
posted by スポンタ at 07:45| 東京 ☀| Comment(0) | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

正史と稗史。

教科書も、マスコミも、正史しか扱わない。ということを、理解すべきである。

ニューヒストリシズムでは、歴史もひとつのテキストに過ぎず、絶対的な妥当性はもたない。であり、インターテクチュアリティーでは、すべてのテキストは、相対的に意味が決定する。
そんな学問が誕生したのは、稗史をオーソライズするためではないか…。



芸術学の青山先生は、「18世紀以降の近代主観主義は、通史的な妥当性を持たない」と、強調するが、「近代主観主義」・「モダニズム」は、正史(勝った人たちの学問体系)であろう。
posted by スポンタ at 07:42| 東京 ☀| Comment(0) | ネットウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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